【元横綱稀勢の里コラム】期待の新弟子入門 林龍&林虎には「龍虎」のごとく番付を駆け上がってほしい

2022年04月06日 07:00

相撲

【元横綱稀勢の里コラム】期待の新弟子入門 林龍&林虎には「龍虎」のごとく番付を駆け上がってほしい
二所ノ関部屋に入門する双子の兄・林琉(右)、弟・林玲と記念撮影する二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)。(二所ノ関親方提供) Photo By 提供写真
 【二所ノ関親方コラム「寛(くつろ)ぎのひととき」 】 スポニチ本紙で的確な相撲評論を披露している二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が今春からコラムを担当します。大相撲の話題はもちろん、アメフットやゴルフ、格闘技にも精通する親方が独特の視点で「寛(くつろ)ぎのひととき」を届けます。
 このたび、月1回のコラムを任されました。二所ノ関部屋の話題やスポーツの魅力などを紹介できればと思っております。

 私は昨年8月、4人の弟子らとともに田子ノ浦部屋から独立。「荒磯部屋」として新たなスタートを切りました。まだ1年もたたないうちに「二所ノ関部屋」へ名跡を変更。さらに尾車部屋所属だった中村親方らが加わるなど日々、いろんな経験をさせていただいています。現役時代は自分のことしか気にしていませんでしたが、今や「一国一城」のあるじ。私も師匠(元横綱・隆の里)から、よく怒られました。「何で、できないんだろう」と師匠の立場になれば、つい自分の弟子にイライラしてしまうこともありますね(笑い)。

 入門してくる子は中卒だと20歳も下。「最近の若い子は」という言葉が常に存在するように世代の違いを感じます。相撲界では若い衆は大部屋生活ですが、今や個室どころか携帯電話は当たり前。昔のようなやり方を押し通すのも無理があるかもしれません。稽古のやり方も変貌しつつあります。最近は稽古場以外のトレーニングも充実し、ジムなどでの鍛錬も必要です。しかし、相撲の基本は、しこ、すり足、てっぽう、ぶつかり稽古。これに勝るものはありません。

 4日の新弟子検査にはうちの部屋から4人の「若き力」が新たな一歩をしるしました。双子の林兄弟は昨秋の体験入門で部屋の方針などを気に入り、入門してくれました。2人は昨年の全中で団体戦準優勝メンバー。小学校では大関・御嶽海も所属した木曽相撲クラブで腕を磨きました。2人を見て思ったのは、大関を輩出した道場でしっかり基礎を叩き込まれていることです。地元の相撲熱の高さを実感します。兄は「林龍(はやしりゅう)」、弟は「林虎(りんこ)」と名付けました。「龍虎」のごとく番付を駆け上がってほしい。切磋琢磨(せっさたくま)しつつ角界の頂点へと上り詰めてほしいものです。(元横綱・稀勢の里)

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