ラグビー界の“最強ブランド”オールブラックスとの対戦が持つ意味とは
2022年10月29日 06:00
ラグビー
初対戦はオールブラックスが87年の第1回W杯で栄えある初代王者となり、その秋に行われた来日ツアーでの2連戦。初戦は無得点、第2戦は日本代表史上初の3桁失点を喫したのだが、実はこの2試合をNZ側はテストマッチとして認定していない。28日、オールブラックス公式ツイッターが投稿したのも、「直接対決 4勝0敗」のスタッツ表。当時はテストマッチやキャップ認定があいまいで、各国の判断に委ねられていたため、NZ協会は格下の日本戦を単なる親善試合扱いとした。
消耗が激しいテストラグビーは週1試合が限度で、年間の試合数も限られる。実力差のある相手との試合は強化につながらず、貴重な機会の浪費は格上側にとっては避けたいのが本音だろう。87年の結果や国際舞台での日本の低迷もあり、抽選でグループ分けが決まるW杯での2度の対戦を除けば、次に対戦が実現したのは13年11月のことだった。09年にはオーストラリアとの伝統の定期戦、ブレディスロー杯が旧国立で行われたが、その前後で日本代表と矛を交えることはなかった。これが長年、オールブラックスと日本が置かれた立ち位置の違いだった。
名将エディー・ジョーンズがヘッドコーチを務めていた13年の対戦では(ただしエディーは病床に伏し指揮を執れなかった)、6―54とスコア差は最少を更新したもののノートライで敗戦。まだ21歳だった福岡堅樹がインゴールまであと数メートルに迫ったものの、闘将リッチー・マコウのタックルに阻まれるシーンもあった。4年前には5トライを奪ったが、結果はダブルスコアの敗戦。両試合とも一部の主力はいたものの、その時点での1・5軍と言えるメンバーで来日したオールブラックスに対しての結果だった。
ひるがえって今回は歴史的な低迷から回復途上という事情があるにせよ、そのまま欧州ツアーに流れる正真正銘の黒衣軍が来日した。先発にはキャップ数の少ない若手が一部含まれるが、これは相手が欧州や南半球のライバルであってもよくある構成。決して日本を軽く見ているわけではない。充実期にある日本代表がベストメンバーを組んだと言っても、80分間一瞬の隙なくプレーしなければ、時代を巻き戻したかのような大惨敗になってもおかしくない。
数年おきにさん然と輝く金星を挙げてきた日本代表だが、オールブラックスに勝てば、南アフリカやアイルランドを倒した時の以上のインパクトを世界に残し、ラグビー界に地殻変動を起こすことになる。4年に一度のW杯とはまた別の、唯一無二のビッグマッチ。それがオールブラックス戦の持つ力なのだ。
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