ラグビー日本代表・ディアンズ 夢のW杯で世界一のロックに ビッグな20歳の誓い

2023年01月11日 06:00

ラグビー

ラグビー日本代表・ディアンズ 夢のW杯で世界一のロックに ビッグな20歳の誓い
インタビューに応じ、W杯へ熱い思いを示したワーナー・ディアンズ Photo By スポニチ
 今秋のラグビーW杯フランス大会へ、日本代表には成長著しい20歳がいる。ロックのワーナー・ディアンズ(BL東京)は21年11月に代表デビューすると、今や主力格にまで地位を確立した。身長2メートル1の男が目指すは、幼少期から憧れたW杯出場&世界一のロックというビッグな目標――。このほど取材に応じ、ハタチの誓いを示した。(滝本 雄大)
 ラグビー王国ニュージーランド出身のビッグな20歳には、かなえたい夢がある。ディアンズは9歳だった11年、母国で行われたW杯日本―カナダ戦をスタジアムで観戦した。リーチ・マイケルら桜の戦士を目に焼き付け、芽生えたのは夢舞台を目指す気持ち。そこから12年。まさに今、そのチャンスをつかもうとしている。

 「たまたま、当時住んでいたネーピアでやっていた試合が日本戦だった。子供のころ、ニュージーランド大会をスタジアムで見て、その時から“(自分も)W杯に出たい”と思っていた。今は良いパフォーマンスをすれば、出るチャンスがあるのでワクワクしている」

 桜のジャージーと結ばれた縁は必然だったのかもしれない。元ラグビー選手だった父・グラント氏の影響で4歳からラグビーを始めた。転機は中学2年の時。父のNEC(現東葛)コーチ就任に伴って来日。リーグワンの前身のトップリーグを観戦するうちに日本ラグビーの魅力に引かれた。

 「東芝(現BL東京)やサントリー(現東京SG)、NECの試合を見て、面白い、レベルが高いと思った。ニュージーランドとは違う“チームのため”というカルチャーが好きになった」

 だからこそ、千葉・流通経大柏高卒業後は大学進学という道を選択しなかった。より高いレベルを求め、憧れのリーチがいる東芝に加わった。

 「トップリーグが、自分にとって一番成長できるところだと思った。代表になるために、このチームに入らないといけないと感じた。リーチ選手から学びたかった」

 大きなチャンスが巡ってきたのは高校卒業から半年ほどが経過した21年秋。日本代表に初招集され、同年11月のポルトガル戦で初キャップを獲得した。まだトップリーグの試合すらデビューしておらず、異例の大抜てき。母国の代表を志す道を選ばなかったのは、日本への愛だ。

 「迷わなかった。自分は日本ラグビーに助けてもらった。日本代表になりたかった」

 その後は着実に代表キャップを積み上げた。長身を生かし、ラインアウトでは相手にプレッシャーをかける。ディフェンスでは長い腕を伸ばすキックチャージで、攻撃の芽を摘む。昨秋のテストマッチは全試合に先発し、ニュージーランド戦では代表初トライを決めた。

 「(節目の)ハタチで(母国からトライを奪ったのは)人生で一番うれしいこと。ずっと一番だと思う」

 そんな20歳には、夢舞台出場と、もう一つの目標がある。

 「世界一のロックになる」

 フィジカルだけじゃない。スケールも大きい20歳はビッグドリームを実現させてみせる。

 ≪流通経大柏高出身 花園で8強≫◇ワーナー・ディアンズ 2002年4月11日生まれ、ニュージーランド・ウェリントン出身の20歳。4歳でラグビーを始め、父グラント氏のNECコーチ就任を機に来日し、つくばインターナショナルスクール(茨城)に入学。中学はあびこラグビースクールでプレーし、流通経大柏高に進学。花園では19、20年度と8強進出に貢献した。目標はニュージーランド代表ロックのブロディ・レタリック。試合前ルーティンはエナジードリンク「モンスター」を飲むこと。日本代表7キャップ。2メートル1、117キロ。

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