二所ノ関親方が初場所総括 貴景勝 他との実力差は歴然 綱取りへ平常心を心がけて
2023年01月24日 04:39
相撲
最近は押し切れなかった時にどう対応するかなど相撲の幅を広げているようです。土俵際の小手投げを決めた10日目の明生戦。千秋楽の琴勝峰戦も中に入ってすくい投げを見せました。突き押しはリスクも多く、馬力に任せて突きすぎると負ける確率は高くなる。一気に押すのではなく、斜め45度で押す方が力が出ると見ています。明生戦のように体の反応の良さで勝利をいくつ拾えるかが、安定した成績を残すには必要になります。
春場所は横綱昇進を懸けた場所になります。琴勝峰戦のように自分の相撲を取りきれば他との実力差は歴然。気持ちがぶれたり、相手によって感情が揺れるとリズムを崩してしまう恐れがあります。今まで以上に注目されるだけに、周囲に惑わされず休むところは休むなど平常心を心がけてほしいものです。
相星決戦で敗れた琴勝峰ですが、まだ伸びしろはたくさんありそうです。体の中心部分を強くし、足を内股にしないこと。それには基礎運動あるのみです。現状は上半身と下半身が連動していませんが、そこがうまくいけば誰も手がつけられない存在になると期待しています。新三役で9勝した若元春は毎場所力をつけてきた印象。左四つという型があり、今後が本当に楽しみです。(元横綱・稀勢の里)