33年ぶりのトリプルクラウンなるか スコットランド元主将レイドローが占う ラグビー欧州6カ国対抗

2023年03月10日 11:04

ラグビー

33年ぶりのトリプルクラウンなるか スコットランド元主将レイドローが占う ラグビー欧州6カ国対抗
スコットランド―アイルランド戦でゲスト解説を務めるグレイグ・レイドロー Photo By 提供写真
 ラグビーの欧州No・1を決める欧州6カ国対抗(シックスネーションズ)は、W杯イヤーに相応しく、例年以上に激しい戦いが繰り広げられている。第3節終了時点で唯一3戦全勝の首位アイルランドを筆頭に、いずれも2勝1敗の2位スコットランド、3位イングランド、4位フランスまでの4カ国に優勝の可能性が残されており、残り2節はさらなる注目が集まる。
 衛星放送局WOWOWは、今年も全15試合を放送・配信中。今回は第3節のフランス―スコットランド戦に続き、12日の第4節・スコットランド―アイルランド戦でもゲスト解説を務める、元スコットランド代表主将でスクラムハーフのグレイグ・レイドロー(37=浦安)がインタビューに応じ、激闘必至の一戦の見どころなどを語った。

 ――まずは解説を務めた第3節・フランス―スコットランド戦の感想をお願いします。
 「2枚のレッドカードなど、いろいろなことが起きた興味深いテストマッチでした。本当に激しい試合で、どちらが勝ってもおかしくなかったと思います。残念ながらスコットランドは終盤の大事なラインアウトが失敗に終わり、プロップのザンダー・ファーガソンとウイングのドゥアン・ファンデルメルヴァの惜しくもトライにならなかったプレーもありました。スコットランドが世界のトップチームに勝つためには、そのような大事な場面で競り勝たなければなりません」

 ――敗れたスコットランドですが、ポジティブな点もありましたか?
 「パフォーマンスは確実に成長しています。やはりスタンドオフのフィン・ラッセルは対戦相手にとって危険な存在ですね。ただ、序盤で19点のビハインドを抱えてしまい、良くない形で試合に入ってしまいました。そこから立て直していけたのはポジティブなことですし、チームの真の実力を見せてくれたと思います。あれほどリードされても彼らは自分たちを信じていました。彼らはこれからも自分たちを信じ続ける必要があります」

 ――以前から期待されていたスクラムハーフのベン・ホワイト選手の活躍はいかがでしたか?
 「この試合も良かったですね。シックスネーションズの3試合で先発し、スコットランドを助けてきました。スピードもありますし、局面によっては危険な存在でした。自分のあるべきポジションに収まってきたのではないでしょうか」

 ――元キャプテンのレイドロー選手から見て、現キャプテンを務めるフランカーのジェイミー・リッチー選手の働きはいかがですか?
 「彼はとても良くやっています。まだ若手と言えるキャリアですが、とても成熟していますし、落ち着いていて、キャプテンにふさわしい選手だと思います。これからもキャプテンとして成長していく必要がありますし、助けてくれる選手を周りに置くことも必要でしょう。チーム内のシニアの選手、例えばロックのリッチー・グレイやジョニー・グレイ、フルバックのスチュアート・ホッグ、そしてスタンドオフのフィン・ラッセルといった選手たちはジェイミーが素晴らしいリーダーになる手助けをしてくれるはずです」

 ――再び解説を務める第4節・スコットランド―アイルランド戦。スコットランドが勝てばトリプルクラウンとなりますが、どんな試合になるでしょうか?
 「とても大事な試合です。アイルランドは勝てばグランドスラムを達成する可能性が高まります。スコットランドは質の高いチームとの対戦が続きますが、スコットランドがトリプルクラウンを勝ち取るチャンスは久しぶりですので(ファイブネーションズ時代の1990年以来)、チームとして本気でフォーカスすべき試合です。スコットランドはこの試合でホームのBTマレーフィールドに戻ります。それがいかに大事なことで、また力になるか、彼らは分かっています。敗れたフランス戦から学んだことを糧に、アイルランド戦にフォーカスして最高のパフォーマンスをするための準備を整える必要があります」

 ――アイルランドの警戒すべき選手を挙げていただけますか?
 「良い選手が数多くそろっています。まず、キャプテンでスタンドオフのジョナサン・セクストンは言うまでもなく最高のラグビー選手です。彼らにとって頼れるリーダーであり、シックスネーションズ優勝、グランドスラム達成を強く望んでいるはずです。また、ロックのジェームズ・ライアンはアイルランドのラインアウトを任されている選手で、アタックでもディフェンスでも素晴らしい働きを見せており、とてもアグレッシブです。セカンドロー(FW第2列)ですが、時にはバックロー(FW第3列)のようなプレーをしますので注意が必要です。フルバックのヒューゴ・キーナンも非常に良いプレーをしています。確実にボールを保持し、持ち前のスピードで突破する能力に長けています。この3選手には十分気を付ける必要がありますね」

 ――スコットランドは今年のW杯でもアイルランドと対戦します。今回はどんな位置づけの試合になると考えていますか?
 「両チームに優勝の可能性が残されているだけに、どちらも今回のシックスネーションズにフォーカスしています。両者がW杯モードに入っていくのはその後の話で、今はこのテストマッチで勝つことが大事ですから、どちらも全力を注ぐはずです。スコットランドのトリプルクラウンが懸かった大一番、ぜひWOWOWでご覧ください」

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