陸上男子110メートル障害・泉谷 日本新で3連覇!自己記録更新13秒04で世陸切符

2023年06月05日 04:33

陸上

陸上男子110メートル障害・泉谷 日本新で3連覇!自己記録更新13秒04で世陸切符
<陸上日本選手権>男子110メートル障害、日本新記録を樹立した泉谷駿介(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【陸上 日本選手権最終日 ( 2023年6月4日    大阪市・ヤンマースタジアム長居 )】 8月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)代表選考を兼ねて行われ、男子110メートル障害決勝は泉谷駿介(23=住友電工)が自身の持つ日本記録を0秒02更新する13秒04をマークし、3連覇を達成した。高山峻野(28=ゼンリン)が13秒30で2位。ともに世界選手権の参加標準記録を突破しており、代表に決まった。男子100メートル決勝は坂井隆一郎(25=大阪ガス)が10秒11で初優勝。サニブラウン・ハキーム(24=東レ)は10秒59で8位に終わった。
 ハードルを越えるたびに泉谷が加速した。向かい風0・9メートルで迎えた最終決戦。序盤は隣のレーンを走る高山と並んでいたが、中盤以降に突き放してゴールを駆け抜ける。表示されたタイムは、2年前の日本選手権決勝で自身が出した日本記録を0秒02更新し、今季世界ランキング2位となる13秒04。3連覇も成し遂げて歓喜の余韻に浸った。

 「うれしい気持ちでいっぱい。2年前よりもちょっとミスがありながら(日本記録を)出せた。(自身の力の)アベレージが上がっていると思う」

 前半は思い通りにいかなくても、それをはね返す力がある。「最近の持ち味」と定めているのが、中盤以降のスピード。焦ることなく、進化したスプリント力も発揮してリードを広げた。

 東京五輪では日本勢として同種目で57年ぶりとなる準決勝進出。さらに上を目指して戦ってきたが、昨年の世界選手権でも準決勝の壁を越えられず、再び決勝進出を逃した。大柄な外国人選手が軽々とハードルを跳ぶ姿に衝撃を受け「身長を伸ばそうにも無理。種目を変えるのもありかな?」と冗談交じりに話すほどだった。あれから1年弱。悔しさを糧にし、短所をも長所に変えた。

 「身長が大きいと(ハードル間で)詰まっちゃう。身長が低くて良かったし、自分の持ち味を生かして素早い動きでいける」

 再び切符を手にした世界選手権、そして五輪でファイナリストとなれば、同種目で日本人初となる。「(決勝進出が)見えてきました」。昨夏に恐れた海外勢に、今度は本気で勝ちにいく。

 ◇泉谷 駿介(いずみや・しゅんすけ)2000年(平12)1月26日生まれ、神奈川県出身の23歳。横浜市立緑が丘中で陸上を始める。中学では短距離と四種競技に取り組み、武相高時代の17年には全国高校総体の八種競技で優勝。三段跳びでも3位に入った。順大進学後に110メートル障害をメインとし、22年に住友電工に入社。1メートル76、70キロ。

 ≪参加標準突破2位の高山も世陸内定≫参加標準記録を切っている2位の高山も世界選手権代表に内定した。号砲から泉谷に食らいついたが、中盤のハードリングで高めに浮いてしまい、リードを許した。泉谷の日本記録については「あれが世界のメダルレベル。2・5メートル前にいて、追いつける距離じゃない」と脱帽したが、自身も無事に世界切符を獲得し「いざ決まると、ホッとした」と語った。

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