スーパー店員がパリ五輪確実 23歳・浜西諒“荷出しトレ”結実「出来すぎです」

2024年02月19日 04:40

陸上

スーパー店員がパリ五輪確実 23歳・浜西諒“荷出しトレ”結実「出来すぎです」
2位に入り五輪切符を確実にした浜西諒 (撮影・亀井 直樹) Photo By スポニチ
 【陸上・パリ五輪日本代表選考競技会兼日本選手権20キロ競歩 ( 2024年2月18日    神戸市六甲アイランド甲南大学周辺コース )】 競歩界に新星が現れた。日本代表経験のない23歳の浜西諒(サンベルクス)が日本陸連の派遣設定記録(1時間19分30秒)を突破する1時間17分42秒で2位になり、パリ五輪代表入りを確実にした。
 粒ぞろいの陸上男子競歩界に“スーパーマン”が参上だ。スーパーマーケット「ベルクス」を展開するサンベルクス所属の浜西が自己ベストを一気に4分以上も更新。パリ五輪派遣設定記録をクリアして2位となり、五輪代表をほぼ手中にした。「タイムに関しては正直17分台ってのは…。自分の中では出来過ぎです」と自ら驚く会心の内容だった。

 レースは優勝した池田が飛び出し、2番手を歩く50キロ日本記録保持者の川野が目標になった。明大の先輩・古賀と息を合わせて後を追い、15キロからは3人での争い。残り1キロ。浜西は「本当なら残り500メートルで行こうと思っていたんですが、残り1キロで離した方が楽かなと思って」とスパート。この判断が功を奏し、川野を振り落とし、古賀にも競り勝った。

 明大卒業後、埼玉県のベルクス草加青柳店青果部に勤務する。業務は店頭での荷出しが中心。明大時代は体が硬く、故障が多かったが、「デスクワークではなく、野菜を運んで体を使っている。体の柔軟性につながったと思う」と笑う。週4日の勤務で、2日間は午前8時から午後5時までフル稼働して、残る2日は5時間働く。「店頭にも立ってます。夏場は仕事したら疲れちゃったりするんで、そういうときは思い切って休む。練習の仕方は工夫してきました」と話す。

 大阪・履正社高では1学年上にプロ野球ロッテの安田尚憲がいた。明大時代は箱根駅伝を走る仲間を給水係としても支えた。浜西自身はエリート街道を歩んできたわけではない。「シニアでの代表経験もないので。そういった意味では失うものは今の僕には何もないかと思う」。パリを闊歩(かっぽ)する“スーパーマン”の活躍に期待が膨らむ。

 ◇浜西 諒(はまにし・りょう)2000年(平12)4月24日生まれ、大阪府豊中市出身の23歳。履正社高―明大。23年関東インカレ優勝。日本陸連の大会エントリー表には「結果を残して、櫻坂46の番組に呼んでいただきたいです」と書き込んだアイドル好き。推しは櫻坂46の的野美青。阪神ファン。1メートル70。

 ▽サンベルクス 東京都足立区に本社を置く。スーパーマーケット「ベルクス」を東京16店、埼玉11店、千葉19店の計46店舗展開。1968年に足立区で青果専門店としてスタートし、81年にスーパー1号店をオープン。2012年4月に陸上部を創設。ニューイヤー駅伝には16年に初出場し、24年は16位。埼玉県鶴ケ島市に本社があるスーパー「ベルク(Belc)」とは関係はない。

 ▽パリ五輪の競歩 東京五輪まで実施された男子50キロがなくなり、男女の20キロと新種目の男女混合団体リレー(42・195キロ)が実施される。代表は男女ともに日本選手権の最上位かつ派遣設定記録を突破した選手がその時点で決まる。残り2人は3月の全日本能美大会後の選考で正式に決まるが、日本選手権の3位以内かつ派遣設定記録を突破した選手が優先的に選出される。女子で2位の岡田は派遣設定記録には届かなかったが、参加標準記録を突破しており、五輪出場に前進した。

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