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本当に痩せる?ストレッチのダイエット効果を【プロ目線で】解説

2024年05月08日 09:00

本当に痩せる?ストレッチのダイエット効果を【プロ目線で】解説
「ストレッチで痩せる」。これは本当でしょうか。また、ストレッチで痩せることができるのなら、どんなやり方が良いのでしょうか…

「ストレッチで痩せる」。これは本当でしょうか。また、ストレッチで痩せることができるのなら、どんなやり方が良いのでしょうか。

今回は、ストレッチにダイエット効果があるのかどうかをプロの視線から解説し、ストレッチを行うポイントも併せて紹介していきます。

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結論から言うと、残念ながらストレッチのみでは痩せたり、体重を落とすことはできません。

ストレッチによって血行が良くなり代謝を向上させるかもしれませんが、脂肪を燃焼させるほどのエネルギー消費量にはなりません。

確実に痩せる、体重を落とすには、筋トレや有酸素運動と組み合わせながら行う必要があるでしょう。

ストレッチに期待できる5つの効果とは

では、ストレッチにはどのような効果があるのでしょうか。

関節可動域の改善・向上

ストレッチは、筋肉の柔軟性を向上させる効果が高い運動です。筋肉の柔軟性を向上させることで、関節の可動域を改善・向上させ、ケガのリスクを軽減させることができます。

筋トレ効果は「筋肉の柔軟性」と「関節の可動域の広さ」で変わる

姿勢の改善

筋肉の柔軟性が高まる、関節可動域の向上により、姿勢が改善され、よい姿勢をとりやすくなります。

血行をよくする

ストレッチで筋肉を伸び縮みさせることで、血行を促します。血行がよくなることで、疲労回復の促進につながります。

体の緊張をほぐし、リラックス効果につながる

ゆっくりと行うストレッチは、体の緊張をやわらげ、リラックス効果を得ることができます。体の緊張がほぐれることで、精神的なリラックス効果にもつながります。

スポーツパフォーマンスの向上

関節可動域が大きくなることで、体を大きく動かすことができるようになり、スポーツパフォーマンスの向上につながります。

ダイエットにストレッチを取り組むとよい理由

ストレッチだけで痩せることはできませんが、ストレッチを活用することでダイエットの効率を高めることはできます。

ストレッチを行うことで、血行が良くなり柔軟性が高まるため、体を動かしやすくなります。それらの効果は、筋トレや有酸素運動を行いやすくし、運動効果を高めてくれます。

また、運動に対するハードルを低くし習慣づけやすくなるため、結果的にダイエットにつながります。

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ストレッチを活用しながら痩せる方法

ここでは、ストレッチを活用して痩せる方法を紹介します。

ダイエットにつながるストレッチのやり方は「体を大きく動かすダイナミックストレッチ」

ストレッチをダイエットにつなげるなら、体を大きく動かすダイナミックストレッチがおすすめです。

ダイナミックストレッチとは、体を動かしながら筋肉を伸ばしていくストレッチ方法です。子どもの頃よく行ったラジオ体操も、ダイナミックストレッチのひとつです。

体を大きく動かしながら行うため、心拍数が上がりやすく、有酸素運動としての効果を得ることができます。

ストレッチの種類と効果|運動前は「動的ストレッチ」、運動後は「静的ストレッチ」

ラジオ体操のほか、サッカーのウォーミングアップで有名なブラジル体操や、ヨガなどもダイナミックストレッチを活用した運動です。

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これらの運動を、筋トレや有酸素運動と併用して行うことで効果を高めることができます。

ストレッチの注意点と効果を高めるポイント

呼吸で筋肉の伸びが変わる

ストレッチの効果を高めるには、呼吸が重要です。

ストレッチ中は、息を止めないことがマスト。呼吸を自然と行うことで、血圧が高まるのを抑えるだけでなく、意識して息を吐きだすことで筋肉を伸びやすくすることもできます。

息を吐くことによって、自律神経のひとつであり、リラックスをつかさどる副交感神経の働きが高まり、筋肉が伸びやすくなるのです。

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伸ばしたい部分の筋肉を感じながら

見よう見まねで行っても、ストレッチの効果はあります。しかし、どの筋肉を伸ばしているかを理解しておくことで、ストレッチ効果が高まります。

どの筋肉を伸ばしたいのか、また、伸ばしたい筋肉がしっかり伸びている感じがあるかどうかを、確認しながら行うようにしましょう。

細かく角度を変える

ストレッチは、同じ姿勢でも手や足の角度をほんの少し変えるだけで、伸びる場所や伸びやすさが変わったりします。

基本的な姿勢を行ったら、同じ姿勢を保ったまま足・手・腕の角度や、手のひら、つま先の向きなどをいろいろ変えながら、伸びて気持ちいいという角度を探しながら行うとよいでしょう。

ストレッチの注意点と効果を高めるポイント2

反対側の筋肉を縮める

筋肉には、表と裏の関係があります。たとえば以下など。

  • 【体幹部】表側:大胸筋 ⇔ 裏側:広背筋
  • 【腕】表側:上腕二頭筋 ⇔ 裏側:上腕三頭筋
  • 【脚】表側:大腿四頭筋 ⇔ 裏側:ハムストリングス

それぞれ、筋肉の働きも逆の働きをしています。

【例】 上腕二頭筋:肘を曲げる ⇔ 上腕三頭筋:肘を伸ばす

このように、主に動く筋肉を「主働筋」、主働筋と逆に動く筋肉を「拮抗筋」といいます。この拮抗筋をうまく使うことで、ストレッチの効果を高めることができます。

筋肉をストレッチで伸ばすには“体重をかける”必要がある

筋肉の特性のひとつが、縮むことしかできないこと。ストレッチで伸ばすには、体重をかけて外力によって筋肉を伸ばしてあげる必要があるのです。

その際に、拮抗筋に力を入れて縮めるようにすることで、伸ばしたい主働筋が伸びやすくなるのです。

【例】ハムストリングスを伸ばす → 大腿四頭筋に力を入れながら行う

ストレッチを行うタイミングと頻度。毎日やったほうがいい?

最後に、ストレッチを行う最適なタイミングと頻度を紹介していきます。

効果を得やすいタイミングは「筋温が高まっているとき」

ストレッチの効果を高めるには、ストレッチを行うタイミングも重要です。ストレッチ効果をもっとも引き出すのは、「筋肉の温度が高まっている状態のときに行う」ことです。

筋温が低いと、筋肉が伸びにくく、伸ばした際に痛みを感じやすくなります。筋温が高いと、筋肉の緊張が和らぎ、痛みを感じにくくなるため、より筋肉を伸ばすことができるのです。

筋温が高いのは、運動後や入浴後。とくに運動後は、疲労もたまっているため、体が冷える前にストレッチを取り入れるようにしましょう。

こんなタイミングもおすすめ

柔軟性を高めるなら、筋温が高いタイミングが最適ですが、そのほかにもストレッチを取り入れたいタイミングがいくつかあります。

  • 朝起きたとき

まずは起床後。睡眠中は同じ姿勢が続くことにより筋肉の緊張が増したり、血行を悪くしたりします。その影響で、朝起きた直後は筋肉が硬く、動きが悪い状態になっています。

この状態をいち早く改善するには、筋肉を動かして体温を上昇させ、血液循環を良くする必要があります。

運動強度が低く、簡単にできて血液循環を改善するのに効果的な運動がストレッチ。

起きてすぐに運動する事はかなりハードルが高いですが、ストレッチであればベッドの上で、仰向けで寝たままでもすぐに簡単に行うことができます。

  • お風呂上がり、寝る前にもオススメ

就寝前にもストレッチを取り入れるとよいでしょう。1日の疲れや筋肉の緊張をその日のうちに対処しておくことで、次の日の起きたときの疲れ具合に違いが現れます。

就寝前に行うなら、入浴後、筋温が高まっているときがおすすめです。

ストレッチは毎日、思いついたときに行うのが正解!

ストレッチは強度が低く、筋肉の緊張を改善する効果が高いので、毎日行うのがおすすめです。

おすすめのタイミングだけでなく、筋肉が疲れたな、筋肉が張っているなと感じたら、すぐにストレッチするのがポイント。

ストレッチを習慣づけて筋肉の張りを解消し、疲労を溜めないようにすると、快適な体を維持できることでしょう。

ストレッチだけで痩せることは難しいが、間接的にダイエット効果はある

今回はストレッチが瘦せるのかどうかについて解説しました。

残念ながらストレッチでは痩せることはできませんが、体の疲れ解消、不調を改善するなど多くのメリットを得ることができます。

もし、ストレッチをダイエットに活用するのなら、筋トレや有酸素運動と並行して、体大きく動かすダイナミックストレッチをうまく取り入れてみましょう。

「ストレッチで痩せる」は難しい!その理由と、ダイエット効果を最大化するやり方

著者プロフィール

和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴22年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆や商品監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。2021年 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊。

Official site : https://wada0129.wixsite.com/takumiwada
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<Text:和田拓巳/Edit:編集部>

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