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桜井つぐみを金メダルに導いた父創設の「高知クラブ」と霊長類最強イズム“日本の黄金階級”継承

2024年08月10日 04:44

レスリング

桜井つぐみを金メダルに導いた父創設の「高知クラブ」と霊長類最強イズム“日本の黄金階級”継承
女子57キロ級、決勝進出を決めた桜井つぐみ(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【パリ五輪第15日 レスリング ( 2024年8月9日    シャンドマルス・アリーナ )】 女子57キロ級の桜井つぐみ(22=育英大助手)が9日、決勝でアナスタシア・ニキタ(モルドバ)を6―0で下し、初五輪で悲願の金メダルを獲得した。これで今大会の日本レスリング勢が獲得した金メダルは文田、日下、藤波、樋口に続き5個目。64、21年東京五輪に並ぶ1大会最多に並んだ。
 前日の53キロ級で公式戦137連勝で金メダルを獲得した藤波朱理(日体大)に続き、パリで2人目の「霊長類最強女子」が誕生した。初五輪初戦から落ち着いた試合運びと、攻撃的な姿勢で危なげなく勝ち進んできた桜井が、決勝でも相手に攻撃する隙を与えずに勝利。レスリング競技開始から4日連続となる金メダルを日本にもたらした。

 愛娘にレスリングをさせたい。高松北高、群馬大などで活躍した父・優史さんが桜井のために立ち上げた高知クラブで、3歳で競技を始めた。小2で初めて全国大会に出場。決して練習環境や相手に恵まれているとは言えない高知だったが、父の運転する車で全国各地へと練習に出向いた。五輪への意識を語り出したのは小学校高学年になってから。吉田沙保里の父・栄勝さんが立ち上げた一志ジュニア教室で“霊長類最強女子”と組み合い、世界一を志すようになった。

 57キロ級は五輪3連覇を目指していた金城梨紗子が君臨する階級だったが、昨年6月の全日本選抜選手権では準決勝で直接対決し、テクニカルスペリオリティー勝ちで圧倒。名実共に世代交代を果たし、パリへの切符を勝ち取った。4人が出場するレスリングの四国出身者「チーム四国」唯一の女子選手。04年のアテネ大会で始まった女子フリースタイルで、55、58キロ級時代を含めて日本勢が金メダルを獲得し続けてきた黄金階級の代表として、堂々とマットに立った。

 ◇桜井 つぐみ(さくらい・つぐみ)2001年(平13)9月3日生まれ、高知県出身の22歳。高知南高、育英大を経て、今年4月から育英大助手。父が開設した高知クラブで3歳から競技を開始。中学校時代は全国中学校大会を3連覇。大学1年だった20年の全日本選手権を初めて制すと、世界選手権では21年は非五輪階級の55キロ級を、22、23年は57キロ級を制して3連覇を達成した。家族は父・優史氏、母・美佳さんと妹2人。

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