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川野将虎 35キロ競歩で世界記録V 転機は輪島市の知人からの一本の電話 「甘えがあった」胸打たれる

2024年10月28日 04:30

陸上

川野将虎 35キロ競歩で世界記録V 転機は輪島市の知人からの一本の電話 「甘えがあった」胸打たれる
 世界記録と認定された2時間21分47秒の表示を指さす、男子で優勝した川野将虎=山形県高畠町 Photo By 共同
 来年9月に東京で開かれる陸上の世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権35キロ競歩が27日、山形県高畠町で行われ、男子は世界選手権で22年大会2位、23年大会3位の川野将虎(旭化成)が2時間21分47秒の世界記録で制した。日本陸連が定める派遣設定記録(2時間26分0秒)を突破し、3大会連続の世界選手権代表に決まった。22年から世界選手権で実施されるようになった35キロは、世界陸連が23年1月以降に公認大会で2時間22分0秒を切った場合に世界記録と認定するとしており、川野が初めてその壁を破った。
 世界選手権の切符に加え、男子35キロ競歩で世界最速の称号も手にした。川野は28キロ過ぎに先頭に立って完勝。「代表を決められて本当に良かった。1年弱の準備期間はアドバンテージ。生かせるように準備する」と充実の表情だった。

 混合団体で出場したパリ五輪後は調子が上がらず、弱気になった。転機は、能登半島の記録的豪雨があった9月21日の一本の電話だ。東洋大時代から合宿先だった石川県輪島市の宿泊施設の経営者から、避難中に「競技ができることは当たり前ではないんだぞ」と叱咤(しった)された。その言葉に胸を打たれ「甘えがあった。力に変えてやっていかないと」とスイッチが入り、この1カ月の調整でいい状態に仕上げた。

 初の世界の頂点を見据える26歳の実力者。「力を100%出せるようにしたい」と3度目の挑戦となる来年9月を見据えた。

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