ヨガとストレッチの違いとは?ヨガの効果やおすすめヨガポーズ3選
2024年10月29日 09:00
「自分に合うのは、ヨガとストレッチどっちがだろう?」と迷っていませんか。ヨガもストレッチも体の健康を保つ優れたエクササイズです。しかし、同じような動きで行われるので、目的や効果、動作方法の違いがよくわからない人も多いでしょう。
今回は、ヨガとストレッチの違いを解説します。また、ヨガで期待できる効果や初心者におすすめの基本ポーズ、注意点なども紹介します。
ヨガとは「心身を健やかに保つためのエクササイズ」
ヨガとは心身を健やかに保つためのエクササイズです。さまざまなポーズ(アーサナ)と呼吸法の組み合わせによって集中力を高め、穏やかな精神状態を作り出します。
自分を見つめ直し、心と体を健康にしてくれるヨガは、多忙でストレスの多い現代人にとってピッタリなエクササイズだといえるでしょう。
また、1つのポーズを30〜60秒キープすることによって筋肉が強化され、柔軟性や体力もアップします。
ヨガには、ポーズと呼吸法を重視するタイプや瞑想を重視するタイプなど、さまざまなやり方が存在しています。自分の目的に合うやり方を選ぶことが大切です。
ヨガとストレッチは何が違う?
ヨガもストレッチも、さまざまなポーズと呼吸法を組み合わせて行うエクササイズです。見た目には同じように見えるので区別がつきにくいですよね。
しかし、目的や効果、動作などに違いがあるのです。
目的の違い
ストレッチは「体」に重点が置かれ、ヨガは「心」に重点が置かれます。
ストレッチの目的は、筋肉を伸ばして柔軟性を高め、血流をよくすることです。運動前のウォーミングアップとして行ったり、運動後のクールダウンとして行ったりします。
それに対してヨガは、快適で安定した心を作ることが目的です。ヨガというと、ダイエットや筋力アップ、姿勢改善などを目的に始める人が多いですが、本来そういった身体的効果を一番に求めるものではないのです。
効果の違い
ストレッチでは「身体的効果」が、ヨガでは「精神的効果」が期待できます。
ストレッチを行うと、筋肉がほぐれ血流が促進されることによって、疲労回復の促進や肩凝り・腰痛の緩和、怪我の予防などが期待できます。ヨガでも同様の効果を期待できますが、ストレッチよりも精神面に対するアプローチが強まるのが特徴です。
ヨガは深い呼吸に合わせてゆっくりとポーズをとるため、副交感神経を優位にさせ、リラックス効果を促します。
また鼻から吸って鼻から吐く鼻呼吸によって、呼吸・体温調節・睡眠などを司る自律神経が整い、心が安定してくるのです。
ヨガとストレッチの共通点は
ヨガとストレッチは、目的や効果に対する考え方に違いはあるものの「体の柔軟性を高める」「血流をよくする」「リラックス効果が期待できる」という点では共通しています。
また、さまざまなポーズと呼吸法を組み合わせながら、ゆっくりとしたペースで取り組み、心と体にアプローチしていく点も同じです。
さらに、ヨガもストレッチもマット1枚のスペースで手軽にできて、自分の目的や体力に合わせて行いやすいため、運動が苦手な人でも無理なく取り組めます。
ヨガで期待できる効果とは
ヨガを習慣化することによって、精神的な安定だけでなく、さまざまな効果を期待できます。
ダイエット効果
ヨガを継続することで、インナーマッスルが強化され、基礎代謝が向上しやすくなります。これにより、脂肪がエネルギーとして燃焼されることが促されます。
インナーマッスルは体の深層に位置する筋肉で、正しい姿勢を維持したり、内臓の位置を保ったりする役割を果たします。目には見えませんが、体の機能を支える重要な筋肉です。ヨガのような一定の姿勢をキープする運動は、これらの筋肉を鍛えるのに適しています。
インナーマッスルが強化されることで、体の動きが改善され、内臓の動きも活発になるため、基礎代謝が向上します。基礎代謝は1日の総消費エネルギーの約70%を占めるため、これが上昇すると脂肪燃焼が促進され、ダイエット効果が期待されます。
ストレス解消
ヨガを続けることで自律神経のバランスが整うため、ストレス解消効果が期待できます。
自律神経は、呼吸や代謝など、生きるために必要な体の機能を調整しています。交感神経と副交感神経という2つの神経がバランスを保って働いており、このバランスが崩れると、イライラや不安などの感情が生じやすくなり、ストレスや不眠を引き起こす可能性があります。
自律神経を整えるには呼吸法が効果的で、ヨガではゆっくりと鼻呼吸をしながらポーズをとることで、副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整い、心身がリラックスします。
鼻呼吸の方法は以下の通りです。
1. 4秒かけて鼻からゆっくり息を吸い込み、腹を膨らませる
2. 7秒かけて鼻から少しずつ息を吐き、腹をしっかり凹ませる
このようなゆっくりとした呼吸によって副交感神経が刺激され、心身のリラックス効果が得られ、その結果としてストレスの軽減が期待されます。
美容効果
ヨガを続けると全身の筋肉がほぐれ、血液やリンパの流れが改善されます。これにより、肌細胞に必要な栄養と酸素が行き渡りやすくなり、老廃物が排出されやすくなるため、肌細胞が活性化します。
肌細胞が活性化すると、肌が若返り、ツルツルになったり、肌にハリが戻ったりする効果が期待されます。また、皮膚の新陳代謝が活発化することで、古い細胞と新しい細胞の入れ替えが促進されます。
これにより、不要な角質が押し出され、くすみやクマのない健康的で明るい肌を得ることが可能です。
初心者でもすぐできるヨガポーズ
初心者でもすぐできるおすすめのヨガポーズを紹介します。
ヨガポーズ1「木のポーズ」
木のポーズはヨガの代表的な基本のポーズで、片足立ちで一定の時間バランスを取り続けるのが特徴です。
動作方法
1. 足を腰幅程度に開いて立つ
2. 右脚を曲げて足裏を左内ももにつける
3. 軸足(左足)の親指の付け根に重心を乗せる
4. 胸の前で両手を合わせる(左右の肩の高さを揃える)
5. 目線はまっすぐ前を見る(頭を動かさない)
6. 合掌したまま腕を頭上に上げる(無理なら上げなくてよい)
7. 腕を上げた状態を30〜60秒(3~5呼吸)キープ
8. キープが終ったらゆっくり元に戻し、反対側も同様にする
※動作中は鼻呼吸に集中してください。
※多少ふらついても問題ありません。
※無理のない秒数でキープしましょう。
期待できる効果
- 下半身(太もも・ふくらはぎの筋肉)が強化される
- 体幹(お腹まわりの筋肉)が強化される
- バランスを保とうとして集中力が鍛えられる
- インナーマッスルが強化され姿勢がよくなる
- からだの中心軸が安定しバランス力がアップする
ヨガポーズ2「橋のポーズ」
橋のポーズは、橋のように見える形が特徴的なポーズで、基礎代謝のアップや下腹の引き締めなどの効果が期待できます。
動作方法
1. 仰向けになり、両ひざを立てる
2. 両手は体側に置き、手のひらは床につける
3. 足を腰幅に開き、膝の真下にかかとがくるようにし、つま先は正面に向ける
4. 両足の裏で床を押すようにして、ゆっくりとお尻を持ち上げる
5. 頭・肩甲骨・足裏で身体を支えるようにする
6. 目線は天井を見る
7. お尻を高い位置まで上げたら30~60秒(3~5呼吸)キープ
8. キープが終ったら、ゆっくり元に戻す
※動作中は鼻呼吸に集中してください。
※両ひざを外に開かないように注意しましょう。
※お尻を上げながら胸を大きく開いてください。
※無理のない秒数でキープしましょう。
期待できる効果
- 下半身(お尻・太もも裏側の筋肉)が強化される
- 骨盤内の臓器が正しい位置に収まり下腹が引き締まる
- お尻などの大筋群が強化され基礎代謝がアップする
- 腰まわりがストレッチされ不快感が緩和される
- お尻や背骨まわりの筋肉が強化され姿勢がよくなる
- 胸を開いて呼吸すると気分がスッキリしてストレスが緩和される
ヨガポーズ3「下向き犬のポーズ」
下向き犬のポーズは、ヨガの基本ポーズのひとつで、全身で三角形を描くような姿勢が特徴的です。全身の筋肉強化やストレス緩和などの効果が期待できます。
動作方法
1. 四つん這いになる
2. 手は肩幅、足は腰幅に開いてつま先を立てる
3. 両手で床を押し、下腹部を軽く締めてお尻を高く持ち上げる
4. 両腕・両脚・背中を伸ばして全身で三角形を作る
5. かかとを床につける(無理ならつま先を立てた状態でOK)
6. 三角形の状態を30~60秒(3~5呼吸)キープする
7. キープが終ったら、ゆっくり元に戻す
※動作中は鼻呼吸に集中してください。
※背中をしっかり伸ばすことが大切です。
※無理のない秒数でキープしましょう。
期待できる効果
- 全身の筋肉を使うので効率よく筋肉を強化できる
- 背面全体がストレッチされ肩や腰の不快感が緩和される
- 背筋が伸ばされ姿勢がよくなる
- 背中が伸びると呼吸が深まりストレス緩和につながる
ヨガを行うときの注意点
ヨガを快適に行うにはいくつかの注意点があります。せっかくヨガを行っても、取り組み方が悪いとなかなか効果が現れません。
食後すぐには行わない
ヨガは空腹時に行う方が、横隔膜の可動範囲が広がり深い呼吸を行いやすくなります。
ヨガでは、体の内側に意識を集中させて深い呼吸を繰り返していきます。食後すぐだと、胃が圧迫されて気分が悪くなってしまうことがあるのです。
食後に行う場合には、2〜3時間経ってから行うようにしましょう。
無理なポーズをしない
無理なポーズは身体のバランスを崩しやすく、呼吸のリズムも悪くなります。
ヨガでは安定したポーズと深い呼吸が大切です。ポーズがふらついてしまったり呼吸が浅くなってしまったりすると、十分な効果が得られません。
初心者や体が硬い人は、いきなり難しいポーズに挑戦するのではなく、まずは基本ポーズをしっかりマスターしましょう。
締め付けが強い服装で行わない
締め付けが強い服装でヨガを行うと、途中で呼吸が苦しくなってきます。ガードルなどの締め付けが強い下着やジーンズ、ボタン付きのシャツなどは避けた方がよいでしょう。
ヨガを行う際は、体を締め付けない伸縮性のある服装がベストです。
ヨガを快適に行い、心身を健やかに保とう
ヨガは、心身を健やかに保つ優れたエクササイズです。深い呼吸に合わせてさまざまなポーズをとることで、ダイエット効果や美容効果、ストレス解消などが期待できます。
ヨガはストレッチよりも精神的効果が優先されるので、より高いリラックス効果を求めたい人におすすめです。
体をダイナミックに動かすヨガ、瞑想タイプのヨガ、汗を大量にかくヨガなど、ヨガのタイプは多彩です。自分に合ったヨガを快適に行い、心身を健やかに保ちましょう。
監修・執筆者プロフィール
ヨガインストラクター
碇純子
2022年RYT500(全米ヨガアライアンス認定)修了。漢方とヨガを組み合わせたプログラムを開発。隙間時間にできる「チェアヨガ」を広めるなどの活動を行っている。スマホで相談できるオンラインAI漢方「あんしん漢方」を通じて、症状緩和と根本改善をサポート。薬剤師兼ヨガインストラクターとして、健康情報を心身両面からのアプローチで発信中。
<Edit:編集部>
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