巨人ドラ3高木勇 原監督とブルペン“対決”「10本は本塁打された」
2015年02月27日 05:30
野球
「現役時代の原監督は映像で見たことがあります。現役時代の姿をイメージして投げました。1番から9番まで原監督だったので、試合よりも疲れました」。通算382本塁打を誇る元4番との「初対決」。バットは持っていなくてもオーラを感じ、球数は49球にも及んだ。カウント0―0から想定。勝負球が甘く入ると、心の中で「打たれた!」とつぶやきながら、投げ続けた。内角高めのシュートでのけぞらせる場面もあった。外角低めに原監督が「高木ボール」と名付けた曲がりの大きいカットボールも投じた。「ナイスボール!」。指揮官の言葉に何度もうなずいた。「内角を突かないと抑えられない。甘く入って10本は本塁打されたと思います。ただ本当にいい練習、経験ができた。勉強になりました」と目を輝かせた。
原監督は打席に立った意図を「僕は彼の力を100%知っていませんし、どれだけの可能性があるかというのを見た」と説明。その上で「非常に高いレベルにきている。先発も中継ぎも決めつけることなく見ていきたい」と続けた。ここまで実戦3試合に中継ぎで登板し、計4回を無失点と好投。開幕1軍どころか、先発ローテーション入りの可能性も口にするほど、指揮官の中に強烈なインパクトが残った。
若手が新たな刺激をチームに与えた。原監督はキャンプMVPに「高木(勇)、戸根の新人2人。もう1人加えるならば(捕手の)鬼屋敷。戦うことができる選手が戦闘集団に加わった」と話した。チームスローガン「新成」を掲げ、白紙の状態から始まったリーグ4連覇へのチームづくり。高木勇をはじめ、新しい力の台頭を感じ取った。
高木勇は18日の韓国サムスンとの練習試合に登板した際、視察した侍ジャパンの小久保監督からも「制球力がある」と絶賛された。だが、周囲の高い評価も25歳は浮かれた様子はない。「自分らしく泥くさくてもいいからアウトを取っていきたい」。貪欲に結果を残し続ける。
◆高木 勇人(たかぎ・はやと)
☆生まれ 1989年(平元)7月13日、三重県生まれの25歳。
☆球歴 小4から野球を始め、中学は軟式野球。海星では甲子園出場経験なし。卒業後は三菱重工名古屋で7年間プレーし、14年ドラフト3位で入団。
☆サイズ 1メートル78、88キロ。足は28センチ。右投げ右打ち。
☆球種 直球、カーブ、スライダー、カットボール、フォーク、シュート。
☆社会人時代 工場で米ボーイング社の旅客機787の主翼部品の検査を担当した。
☆日課 黒豆を食べること。社会人時代に佐伯功監督の勧めで食べ続けて約25キロの増量に成功。春季キャンプにも大量に持参している。
☆座右の銘 塞翁(さいおう)が馬。空腹が最高のスパイス。
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