球界が球団数拡張を本格議論か――。12球団から14球団の時代へ。

2018年07月23日 09:30

野球

球界が球団数拡張を本格議論か――。12球団から14球団の時代へ。
スタートトゥデイの前沢友作社長 Photo By 共同
 【君島圭介のスポーツと人間】ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する「スタートトゥデイ」の前沢友作社長が、自身のSNSを使ってプロ野球球界への参入希望を表明した。当初はロッテ球団の買収などが取りざたされたが、あの短い文脈からは球団買収より、むしろ新規参入を「提案したい」と読み取れる。
 NPBは12球団が定数というわけではない。2リーグ制が導入された1950年には15球団が存在していた。04年の球界再編問題が起きた際は「10球団で1リーグ制」を当時の経営陣が主張した一方で、「16球団への球団増」を提唱するOBを含めた球界関係者も多かった。

 今回、前沢氏がNPBに新規参入を申し入れるとすれば再び球団増、つまり「エキスパンション」が正式議題として12球団のオーナー会議等で議論されることになるだろう。球界再編時は「奇数はよろしくない」が統一意見だった。これは個人的な意見だが、増やすならまずセ、パ両リーグ1球団ずつが現実的と思う。リーグとしては奇数になるが、常時1カードを交流戦に当てれば、対戦相手がいないチームはなくなる。

 16球団制に反対するわけではないが、いきなり4球団増では選手の確保が難しい。創設1年目の楽天球団を思い出して欲しい。1球団でも選手層の脆弱さが目立ったのに4球団では興行として試合の質も問題になってしまう。

 とはいえ、新規2球団の戦力を12球団と互角にするにはエキスパンションドラフトは不可避だ。各球団がプロテクトする選手はFA補償と同じ各球団28人程度に設定し、外国人枠の上限の引き上げ。もしくは撤廃も議論する必要がある。

 外国人枠の撤廃は日本球界には劇薬ではあるが、大リーグ機構(MLB)が日本人選手も直接指名できる世界ドラフトの実施を模索している現状で、NPBも世界に向けて門戸を広げておく必要はある。

 新規球団の本拠地は野球協約によって既存球団の「野球上のすべての権利を保護され」る地域権を守らねばならない。具体的には各球団の所在する都道府県がそれにあたる。それ以外となると球界再編時も候補に挙がった新潟、静岡、四国か。他にも栃木、群馬、茨城の北関東や沖縄を含む南九州も考えられる。楽天1チームが治めるには東北も広い。岩手あたりにセの球団があれば地域バランスもよくなる。

 前沢氏の短いSNS投稿でここまで話を進めるのは急ぎすぎだろうか。ただ、球界が何かを変える時期に来ていることは確かだ。新規参入を希望する元気な企業があれば受け入れたらいい。14球団にして、無理があるなら将来12球団に戻してもいいし、もしかすると逆に16球団、あるいは3リーグ制なんてことになるかもしれない。(専門委員)

 ◇君島 圭介(きみしま・けいすけ)1968年6月29日、福島県生まれ。プロ野球やJリーグのほか、甲子園、サッカー選手権、花園ラグビーなど高校スポーツの取材経験も多い。現在はプロ野球遊軍記者。

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