聖光学院 衛藤 ケガをして知った温かさ

2018年08月12日 07:00

野球

聖光学院 衛藤 ケガをして知った温かさ
<聖光学院・報徳学園>悔し涙を流す聖光学院・衛藤(撮影・坂田 高浩) Photo By スポニチ
 【第100回全国高校野球選手権記念大会第7日2回戦   聖光学院2―3報徳学園 ( 2018年8月12日    甲子園 )】 【メモリアル メモリーズ】同点に追いつくと信じてキャッチボールしていた聖光学院・衛藤の手が止まった。ゲームセットを見届けると、涙があふれた。
 「もっとここでやりたかった」

 昨夏、右肘を疲労骨折して手術。ボルトを2本入れた。今春センバツで登板したが、痛みが出て再び手術した。「もう野球をしたくなかった」。そんな中で医師や仲間に支えられ、人の温かさを知った。「ケガして良かった」とも言った。

 6月の東北大会から復帰。8日に背中に張りが出て治療も受けたが、試合前には斎藤智也監督に「最速を出します」と宣言。その言葉通り、小園から自己最速146キロで空振り三振を奪った。

 中学時代は小園と同じバッティングセンターに通った。当時は捕手。「まさか投手と打者で対戦するとは…。全部の球種を打たれて、もういいやって思うくらい。次元が違った」。3本の二塁打を得点につなげられたが、3失点完投。勝負は楽しかった。「自分の力を出し切って打たれたから仕方ない」。今後は大学で野球を続けるつもりだ。聖地で思い切り腕が振れた喜びをかみ締めて――。 (松井 いつき)

 ◆衛藤 慎也(えとう・しんや)2001年(平13)1月17日生まれ、兵庫県出身の17歳。小1から武庫西パイレーツで野球を始める。尼崎西シニアまで捕手としてプレー。聖光学院進学後に投手転向し、2年秋からベンチ入り。同年東北大会からエースナンバーを背負った。1メートル76、74キロ。右投げ右打ち。

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