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米球界ドラフト事情 コロナ禍の影響は… 来るべき時のため、今、何をできるか

2020年04月30日 09:00

野球

 コロナ禍により、プロ野球の開幕は延期。高校、大学などアマチュア野球の大会も中止や延期、開催方法の変更などを余儀なくされている。ドラフトへの影響も必至。その状況は日本だけでなく、米国も同様だ。
 制度面の整備に関して、米球界のスピード感には驚かされる。大リーグ機構と選手会は1カ月前、6月10~12日に行われる予定だったドラフト会議を7月20日まで延期を可能にすることを決めた。同時に、従来40巡目まである指名権を今年は5巡目、来年は20巡目まで削減可能になった。

 一方で、各球団の対応は、日本の現状と似ているかもしれない。AP通信は、各球団のスカウト陣の対応を紹介。ブルージェイズのアマチュアスカウトディレクター、シェーン・ファレル氏は、電話などによる意見交換に膨大な時間を費やしているという。

 今年の全体1位の指名権を持つタイガースで同職を担うスコット・プレイス氏は「40巡目までの時と同様に準備する。例年通りに候補の全選手を調べ、ランク付けする」としつつ、今年は選手の成長ぶりを評価しづらい点を不安視。特に、高校生は数カ月で成長度合いが大きく変わるだけに「彼らはもっと見る必要があるので難しい。大学生の選手は、より詳しい情報があるけど」と本音を漏らした。

 ただ、先行きへの不安がより大きいのは、選手の方だろう。球団が行うべきこととして、レンジャーズのジョン・ダニエルズGMは選手側へのケアの重要性を訴えた。

 「知りたい情報がたくさんあると思う。それが、球団ごとに差別化できると思うところ。われわれは選手、親、コーチたちに情報を提供して最大限ケアし、フィールドの内外で育成することに焦点を置いていく」

 来るべき時のため、今、何をできるか。それが来年以降の選手獲得の成否にもつながる。(記者コラム・大林 幹雄)

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