磐城 1時間56分+特別な7分間 4月に異動「保先生」と一緒に“完全燃焼の夏”

2020年08月16日 05:30

野球

磐城 1時間56分+特別な7分間 4月に異動「保先生」と一緒に“完全燃焼の夏”
<国士館・磐城>8回(国)1死、清水の打球を磐城・清水が好捕(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【2020年甲子園高校野球交流試合   磐城3―4国士舘 ( 2020年8月15日    甲子園 )】 怖いものは何もなかった。磐城ナインの心には、木村保前監督(50)の熱い言葉が刻まれていたからだ。「毎回ボクシングだと思え。隙を見てボディーブローを食らわせろ。死ぬ気で耐えろ」。全員が刻んだ「忍耐」の2文字。ユニホームを泥だらけにして、体現した。
 試合前のノックは特別な7分間だった。センバツで指揮する予定だった木村保前監督は4月に福島商に異動。聖地に立つことがかなわなかった。しかし、今大会の特別措置としてノッカーとして参加が認められ、磐城のユニホームを身にまとって甲子園に立った。「人生の中でこんなに濃密な7分間を過ごしたのは初めて。時が止まっているような感じ。任せたぞ、という気持ちだった」。ノックを終えて感極まった前監督の思いをしっかりと受け止めた。

 一塁の小川泰生(3年)は「最後のシートノックが、甲子園という最高の舞台でノッカーが保先生。最高でした」。7回の守備ではファウルを追ってカメラマン席に体ごと飛び込んだ。「必死に食らいついた。捕れるという気持ちでいった」。6回の攻撃では2死一、二塁から草野凌(3年)の中前打で二塁走者の市毛雄大(3年)が猛然と本塁に走り込み生還した。最後の一球まで食い下がった。

 試合時間1時間56分プラス7分。コバルトブルーのユニホームを真っ黒に汚した選手たちがそこにいた。(松井 いつき)

おすすめテーマ

2020年08月16日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム