新人としては立派すぎるんです 7番降格の阪神・中野に勝手にエールを送ってみる

2021年06月28日 08:00

野球

新人としては立派すぎるんです 7番降格の阪神・中野に勝手にエールを送ってみる
<神・D(12)>中野(右)に声をかけ、笑顔を見せる矢野監督 (撮影・平嶋 理子)                         Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神3-8DeNA ( 2021年6月27日    甲子園 )】 【畑野理之 理論】惨敗での3連敗や、2位巨人の接近にはあえて目を向けず、大きなお世話かもしれないが、きょうは中野拓夢に勝手にエールを送ってみる。2番だった打順が7番に降格。遊撃の守備でも4回無死一塁での宮崎敏郎の二遊間へのゴロを捕れなかった。記録は中前打だったが、追いついていたし、二塁トスをあせったように見えた。6回の打席で三ゴロに終わり3打数無安打で7回の守備からベンチへ。攻守で精彩を欠いたが、いつもいつもうまくはいかないし、こういう日もある。
 擁護する数字を並べたい。今カード3戦とも無安打で打率を・281まで下げたが、佐藤輝明にも傾向があるように、新人選手は疲れが出てくる頃だ。3・4月の月間打率が・340、5月が・271、6月はあと2試合を残して・253。近本光司も1年目の19年6月は・179で、新人王を獲った高山俊も6月は・217と苦しんだ。

 憧れの遊撃の先輩に挙げる鳥谷敬の1年目(04年)と比較してみた。同じチーム69試合時点で、鳥谷は41試合の出場で75打数13安打の打率・173、1本塁打、4打点、0盗塁。すべてで、はるかに上回っている。

 相手球団からのマークも厳しくなっているのだろう。この日、先発・大貫晋一―山本祐大のバッテリーは真っすぐをほとんど投げてこなかった。計15球のうち3球で、1打席目が6球のうち一つで、しかもボール球。2打席目は9球のうち二つだけだった(※シャッケルフォードとの対戦となった3打席目は150キロを超えるツーシームが2度あったが、すべて変化球)。ちなみに大貫は近本光司には3打席で計8球のうち、真っすぐが4球。糸原健斗には3打席で計8球のうち、6球。スコアや走者有無など状況が同じではないものの、左打ちのよく似たタイプなのに比率の違いは明らか。気になって、中野の結果球を球種別で調べてみたら、やはり直球は89打数27安打(・303)と打っていたための偏りなのだと推測した。

 守備での貢献度も決して低くない。守備範囲は広くポジショニングもいいので好守が目立つ。確かに11失策はリーグワーストだが、パ・リーグの遊撃部門で18年から3年連続でゴールデングラブ賞の名手・源田壮亮(西武)も1年目の17年は21失策もしている。中野の失策数は、守備でも攻めている結果だとするのは言い過ぎだろうか…。

 ここまでを改めて確認してみると、新人選手としては立派すぎる数字だということがよくわかった。相手遊撃の大和が17年オフにFA宣言して移籍したときはレギュラー争いがまた白紙に…と思ったが、それも決着しそうだ。=敬称略=(専門委員)

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