日本ハム・新庄新監督 「球界のため」広く深い思考と情熱に以前から着目

2021年10月30日 05:30

野球

日本ハム・新庄新監督 「球界のため」広く深い思考と情熱に以前から着目
05年、ベンチで新庄マスクをかぶる(左から)石本努、新庄剛志(SHINJO)、稲葉篤紀、小谷野栄一、森本稀哲 Photo By スポニチ
 【記者の目】ど派手なパフォーマンスと奇抜な言動。現役時代から型破りなイメージが定着している新庄監督だが、「野球人・新庄剛志」の本質は異なる。それを的確に把握していたのが日本ハムで、監督就任の決め手となった。
 新庄監督が「これからはパ・リーグの時代です」と言ってメジャーから日本球界に電撃復帰したのは04年。北海道移転元年のチームで北の大地のファンの心をつかみ、北海道定着の礎を築いた。当時を知る関係者は「派手で目立ちたがり屋と見られがちですが、チーム、パ・リーグ、ひいては球界に何が必要なのかを常に考えていた」と明かす。自らのキャラクターをどう生かせば球界を盛り上げられるか。広く、深い思考があったという。

 栗山監督は吉村浩GM(現チーム統括本部長)とともにチームの利益だけでなく、「球界のためになるのか」という思考を持っていた。その最たる例が周囲の批判を受けながら「球界のためにも過去にないスーパースターが必要」と育てた二刀流・大谷(現エンゼルス)。新庄監督はそうした思考を受け継ぎ、球界を盛り上げていける人材だ。

 また、野球へ取り組む真摯(しんし)な姿勢も見逃せない。派手なパフォーマンスの一方でチームに尽くす姿は、球団で高く評価されていた。そして野球への情熱。インドネシアのバリ島で生活しながらプロ野球に関心を持ち続け、昨年オフは現役復帰を目指して12球団合同トライアウトに挑戦。14年のブランクを経て真剣に挑んだ熱意は監督業にも生きてくる。

 広く、深い思考で真摯に取り組み、情熱もある。球団は以前から、その「野球人」としての本質に着目しており、監督候補に急浮上したわけではない。23年の新球場開場もにらみ、そういう監督こそが強い風を吹かせられる。(本紙専門委員・秋村誠人)

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