巨人 日体大の二刀流・矢沢をドラフト1位指名候補にリストアップ

2022年03月29日 05:31

野球

巨人 日体大の二刀流・矢沢をドラフト1位指名候補にリストアップ
二刀流で活躍する日体大の矢沢 Photo By スポニチ
 巨人が今秋ドラフトの1位指名候補に日体大で二刀流で活躍する矢沢宏太投手(21)をリストアップしていることが28日、分かった。投げては最速150キロを誇る左腕で、打っては50メートル5秒8の俊足を生かす1番タイプの巧打者。メジャーの舞台で二刀流で活躍するエンゼルス・大谷翔平投手(27)のようなスター選手となる可能性を秘めた逸材を徹底マークする。
 投げて、打って、チームを勝利に導く。誰もが憧れるが、プロなど高いレベルでは限られた人間でしか可能ではない二刀流。巨人が今秋ドラフトの目玉となりそうな二刀流の矢沢を密着マークする。

 矢沢は1メートル73と小柄ながら左腕から繰り出される直球の最速は150キロ。首都大学野球リーグ戦で3本塁打を放つ打力に加え、俊足も魅力だ。昨年、メジャーで9勝&46本塁打を記録してア・リーグMVPに輝いた大谷のような二刀流選手となる期待も背負う。矢沢も「それ(大谷の日米での活躍)がなかったら(二刀流を)やる選択肢がなかった。投手と野手、どちらもドラフト1位のレベルを目指したい」と掲げる。

 昨年12月、松山市で行われた大学日本代表候補合宿を視察した巨人・水野雄仁スカウト部長は「皆さんの夢を見守っていきたい」と評価していた。50メートル走では代表候補で最速の5秒8。身体能力の高さは大学トップ選手の中でも際立っていた。今年3月に予定されていた侍ジャパンの強化試合・台湾戦では代表入りが決まっていたが、コロナ禍で中止に。侍ジャパンの栗山監督は今春のオープン戦に足を運んだ際に「凄く楽しみ。野球選手としての姿がいい」と絶賛していた。

 矢沢は巨人の補強ポイントにも合致する。今年の開幕ローテーションの6人で左腕はメルセデスだけ。昨年チーム最多11勝の高橋は本調子ではなく救援待機している。切れ味の鋭いスライダーを操り、スタミナ十分の矢沢は入団すれば即戦力となれる。打者でもチームの近年の課題である1番タイプ。広角に長打を打つ技術もある。

 大学3年からはDHを解除する「リアル二刀流」にも取り組むなど、大谷に続くプロでの二刀流選手となるため努力を重ねている矢沢。迎えた大学ラストイヤー。巨人は4月2日に開幕する首都大学野球春季リーグ戦から徹底マークする。

 ◇矢沢 宏太(やざわ・こうた)2000年(平12)8月2日生まれ、東京都町田市出身の21歳。藤嶺藤沢(神奈川)では甲子園出場なし。日体大では1年春から外野手で出場し、1年秋から投手として登板。リーグ通算成績は野手では31試合で打率.276、3本塁打、14打点、4盗塁。投手では15試合で7勝4敗、防御率1.59。1メートル73、70キロ。左投げ左打ち。

 ≪「恵まれた環境」元プロから投打でノウハウ吸収≫矢沢は「リアル二刀流」をシンプルに考えている。DH制を解除する異例の起用法にも「二刀流は小さい頃からやってきた野球。三振を奪うことにこだわっているし、ホームランもいい」と野球を楽しむ原点を忘れない。

 投げては最速149キロで打っては高校32本塁打を誇った藤嶺藤沢(神奈川)時代に指名漏れを経験。制球難が原因だったが「ドラフト1位でプロ入りします!」と入部時に言い切った日体大で出会いに恵まれる。

 古城隆利監督の「可能性を一つに絞るのは良くない」との考えもあり二刀流挑戦が決定。投手として中日でプレーした辻孟彦コーチの指導を受け、昨年4月には日本ハムなどで内野手として活躍した大引啓次氏が臨時コーチに就任した。投打で元プロのノウハウを吸収しており「恵まれた環境」と感謝する。

 高校から大学や社会人に進んだ際に評価が高い方に専念する選手が多いが、矢沢は二刀流を継続し、そして最終学年を迎えた。それだけでも能力の高さを証明している。(アマチュア野球担当・柳内 遼平)

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