花巻東には熊谷陸が欠かせない 2年生の仕事人が誓う先輩への恩返し

2022年06月22日 22:43

野球

花巻東には熊谷陸が欠かせない 2年生の仕事人が誓う先輩への恩返し
夏の大会で活躍を誓う熊谷陸(右)と佐々木麟太郎(撮影・柳内 遼平) Photo By スポニチ
 夏季高校野球岩手大会の抽選があす23日に行われ、今春の選抜に出場した花巻東は春夏合わせて15度目の甲子園出場を狙う。2年生の熊谷陸内野手は、主に「9番・二塁」で出場を続け、得意のバントや進塁打など小技でつなぎ役に徹し、強打戦の中で欠かせない存在となっている。
 「選球眼が良くて小技を絡めた攻撃ができることが自分の強み。夏はチャンスに強い打撃を見せたいと思います」

 名門で1年春からベンチ入りを果たした熊谷。レギュラーとして2度目の夏を迎える。今年の春季大会決勝の盛岡大付戦では先発のマウンドを任され、4回無失点の快投でチームを優勝に導いた二刀流右腕だ。最速は135キロながら、ブレーキの効いたチェンジアップで打者を幻惑する。今夏も投打で活躍が期待され「投手もやりたいと思って花巻東に来た。チームを勝たせる投球をしたいです」と意気込んでいる。

 中学では主将の田代旭(3年)、遊撃手の宮沢圭汰(3年)、主砲の佐々木麟太郎(2年)とともに金ケ崎リトルシニアに所属し、エンゼルス・大谷の父である大谷徹監督(60)から指導を受け「とても貴重な時間でした」と感謝する。大谷監督からは、あいさつ、返事、礼儀といった野球をプレーする以前の基本から学び、「真っすぐを待って変化球に対応する」など打撃の考え方も指導を受けた。田代と宮沢が花巻東に進学したことで「“自分も”と思いました」と同学年の佐々木とともに「日本一を取ろう」と先輩に続く決断を下した。

 今春は自身初の甲子園出場を果たした。4―5で敗れた1回戦の市和歌山戦では4打数無安打で聖地初安打を刻むことはできなかったが「緊張しましたけど楽しい場所でした」と、ブラスバンドの演奏が響く夢の舞台を味わった。市和歌山のエース右腕・米田天翼投手(3年)との対決で全国レベルを体感。「真っすぐが来たと思ったらツーシームでファウルになってしまった。悔しくてまた夏に甲子園に戻って優勝してやろうと思いました」と成長の糧にした。

 中学時代からともにプレーしてきた1学年上の田代、宮沢とは花巻東でプレーする最後の夏になる。「部員全員の思いを背負って家族や先輩方に恩返しができるように優勝を目指したい」と誓った。

 ◇熊谷陸(くまがい・りく)2005年7月15日生まれ、岩手県北上市出身の16歳。笠松小1年時に北上ゴブリンズで野球を始める。和賀西中時代は金ケ崎リトルシニアでプレー。花巻東では1年春からベンチ入りし、同年夏から「9番・二塁」でレギュラーを獲得。50メートル6秒5。遠投100メートル。憧れの選手はエンゼルス・大谷。174、65キロ。右投げ左打ち。

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