広島・松本、自慢の直球で逆転CSに貢献だ ルーキーでもチーム2番目に多い40試合に登板

2022年09月06日 04:45

野球

広島・松本、自慢の直球で逆転CSに貢献だ ルーキーでもチーム2番目に多い40試合に登板
広島・松本 Photo By スポニチ
 広島の若手選手がスポニチ本紙に特別コラムを寄稿する「若ゴイ跳ねる。」。第6回は、松本竜也投手(22)が担当した。1年目の今季は、チーム2番目に多い40試合に登板するフル回転。接戦で起用される試合が増えるなど、疲労が蓄積するシーズン最終盤で存在感が高まっている。今回のコラムでは対戦を重ねてつかんだ直球への自信を明かし、逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出に貢献する決意を独白した。 
 接戦で登板させていただく試合もありますが、調子が上がってきたという感覚はありません。その中で失点が減ってきた要因を挙げるとすれば、「試合の入り方」と「直球の強さ」の変化にあると思っています。

 試合の入り方は、開幕当初の課題でした。登板直後は直球が浮いたり、ストライクゾーンで勝負できずにいました。そこで登板直前のブルペンの球数を15球から20球に増やすなど準備の仕方を模索してきました。現在は15球に戻していますが、その手前のストレッチの種目など自分の形を確立できるようになったことで、課題の解消に向かっているのではないかと思います。

 直球は強さが増した実感があります。その理由に明確な答えを見つけるのは難しいです。状態を維持するためではなく、自分が進化するために練習に臨もうと考え、トレーナーさんや先輩方と話しながら日々取り組んできたことが、結果的にボールの切れや球速の向上につながってきたのではないかと感じています。

 開幕当初から「直球が長所だ」と捕手の方も話してくれていました。ただ、ストライクゾーンで勝負できていなかった。徐々に制球が安定してきたのは自信がついてきたという精神的な要因も大きいと思います。ファウルを取れるなど、直球でカウントを整えられるようになってきたことで、配球に占める直球の割合も開幕直後と比べ、自然と増えるようになりました。

 僕の生命線の一つは、右打者への直球アウトローです。中学生の頃から自分の軸にできるように取り組んできました。中学生の頃は右の4番打者が多く、右打者の外角低めに投げ切れれば、長打を回避できる可能性が高かった。「キャッチボールから意識して取り組みなさい」と指導者の方から伝えられた言葉を大切にしながら、磨き続けてきました。

 マウンドでは、どうしても気負い過ぎてしまうことがあります。そこで精神的な助言をくださるのが矢崎さんです。教えていただいたのは「流れに身を任せる」という考え方。相手の打者も自分と同じように日々練習をしているし、ベストボールを打たれることもあれば、真ん中の球で抑えられることもある。マウンドでは流れに身を任せようなどと考え、割り切って投球できるようになりました。

 社会人3年目にはドラフト会議で指名漏れを経験しました。当時は本当に「野球を辞めよう」と考えた。そこから、もう一度プロを目指し、こうして1軍に同行できている日々に「プロに入れてよかった」と実感する毎日です。ずっとそばで支えてくれた人たちには感謝しかありません。その思いを結果で示したいと思っています。

 1年目のシーズンも最終盤を迎えています。救援陣全員で(栗林)良吏さんにつなぐことができれば、おのずとCS進出に近づいていくと思います。一日一日を大切に頑張ります。 (広島東洋カープ投手)

 ◇松本 竜也(まつもと・りゅうや)1999年(平11)9月18日生まれ、奈良県出身の22歳。小1から野球を始め、桜井中では葛城JFKボーイズに所属。智弁学園では3年春に甲子園出場し、1回戦の熊本工戦で完封勝利。Honda鈴鹿を経て21年ドラフト5位で広島入団。今季は全て救援で40試合に登板し2勝2敗3ホールド、防御率4・20。1メートル80、87キロ。右投げ右打ち。

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