指令は突然やってくる…53歳プロ野球記者が“主戦場”とは違う現場で感じたこと

2022年09月24日 08:45

野球

指令は突然やってくる…53歳プロ野球記者が“主戦場”とは違う現場で感じたこと
村田兆治容疑者逮捕を受け東京空港警察署に集まった報道陣(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 指令は突然やってくる。23日。記者はコロナ禍もあって自宅でテレワークだった。不謹慎ながら好物のアイスを食べながら、DAZNでデーゲームの楽天の試合をチェックしていた。と、午後3時過ぎに会社から貸与された携帯電話が鳴る。嫌な予感。当たった。当番デスクから「すぐに羽田空港に行ってくれ!」。元ロッテの村田兆治氏が暴行容疑で逮捕されたという。
 世の中いつ、どこで、何が起こるか分からない。豊島区内の自宅から慌てて地下鉄、JR、京急を乗り継いで羽田空港第2ターミナルへ。エクセルホテル東急を横目に、徒歩で15分ほどの東京空港警察署へと足早に向かう。ほとんど走っていた、と思う。午後5時前。警察署に到着すると、すでに10人以上の報道陣が集結していた。

 スポーツ紙は一般紙と違い、警視庁記者クラブに加入していない。情報をいかに得るか。もう正面突破しかない。各警察署では通常、副署長が広報を担当している。受付へと向かって名刺を差し出す。5分ほど待っただろうか。「こちらでは対応できない」とつれない返事。警視庁の広報にも電話をしたが「発表している事案ではないので、対応できない」。困った。結局、村田容疑者が出てくるのを待って秋雨の降る中、署の玄関前でじっとたたずんでいるしかなかった。

 その後、交代要員が来たので記者は羽田空港の到着ロビーに移動し、24日付のスポニチ東京紙面の1面記事を書いた。スポニチ文化社会部の応援も得て、ありとあらゆる情報をかき集めて。普段の主戦場はプロ野球の現場。ただ時折、こうした事件の取材に巡り会う。記者は推理小説、冒険小説などが大好きな53歳。事件記者。こういう取材現場にちょっと胸が躍ってしまうのは、デスクには内緒だ。(スポーツ部・鈴木 勝巳)

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