阪神・前田忠節スカウト PL同期は「トメ」と呼ぶ、福留は心技体の“心”が最も優れていた

2022年09月24日 07:15

野球

阪神・前田忠節スカウト PL同期は「トメ」と呼ぶ、福留は心技体の“心”が最も優れていた
PL学園時代の福留孝介 Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   中日3―9巨人 ( 2022年9月23日    バンテリンD )】 中日・福留はプロで「ドメ」の愛称が定着しているが、PL学園の同期は「トメ」と呼ぶ。そのトメの並外れた「心技体」を高校時に嫌というほど見せつけられた。高1夏で主軸を務めた打撃技術は言うに及ばず。体の強さも群を抜いていた。猛練習でも、1人だけ表情が変わらない。「しんどい」という言葉を聞いたことがなかった。
 今思うと、技と体以上に、心が最も優れていたと感じる。ケガを抱えていても、弱音を吐かない。ミスをしても動じない。甲子園のスターになっても浮かれず、自分に厳しい。大事な試合で本塁打を打つ。そんな主将だから、仲間だけでなく中村順司監督(当時)の信頼も厚かった。

 PLで投手だった私は、ある試合で、中村監督に「配球のサインは福留が出せ」と言われたことがある。遊撃手のトメの指示に従って投げたことは、バッテリーとすれば恥ずかしいことだが、それだけ、トメは“野球脳”も凄かった。

 高校時代からずぬけた心の強さと、磨き上げた天性の技で数々の偉業を成し遂げた。長い間、ご苦労さま。隠し続けてきたはずの傷だらけの体を、大好きな釣りとゴルフでリフレッシュさせてほしい。(近鉄―楽天―阪神で内野手、現阪神スカウト)

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