侍・山田 “ミスター国際大会”の極意は「積極的かつ冷静」

2023年02月20日 05:00

野球

侍・山田 “ミスター国際大会”の極意は「積極的かつ冷静」
ノックを受ける山田(撮影・白鳥 佳樹)  Photo By スポニチ
 【侍ジャパン強化合宿 ( 2023年2月19日    サンマリン宮崎 )】 2大会連続でWBCに出場するヤクルト・山田哲人内野手(30)がインタビューに応じ、世界一奪還への思いを語った。過去出場したWBC、五輪、プレミア12の全てで本塁打。21年東京五輪ではMVPに輝いた「ミスター国際大会」は、「積極的かつ冷静」のスタンスを強調した。(聞き手・青森 正宣)
 ――2大会連続の出場。WBCで再び日の丸を背負って戦う。

 「たくさんの人が注目するし、期待する。それに応えたい。誰もができる経験ではないので、感謝しながら、ありがたみを感じながらプレーしたい」

 ――19年のプレミア12、東京五輪で優勝に貢献。頂点に立っていないWBCへ、強い思いがあるか。

 「前回は準決勝で敗退だったので、やっぱりやり返したい。メンバーも強くなっている。各チーム、メジャーの選手もたくさん出ている。その中で勝ちたい」

 ――大谷も参戦。

 「凄い楽しみ。その場で思ったことがあれば、質問するし、何でも聞いてコミュニケーションを取りたい。以前、トレーニングの仕方も聞いたけれど、凄い先のことを考えながらやっていた」
 ――何が凄い。

 「まず体がでかい。その体をうまく使っている。無駄のない動き。僕が見てきた中で一番凄い。ムネ(村上)も飛ばすけど、大谷の方が飛ばしていたような感覚」

 ――他チームで注目の選手は。

 「やっぱりマイク・トラウト選手(エンゼルス)。名前のある選手は、どんな感じなのか見てみたい」

 ――国際大会の経験が豊富。プレッシャーや緊張とうまく付き合えるようになったか。

 「緊張はする。ほぐそうともしない。そのままいく。プレッシャーの中で野球をするしかないのか、緊張感をなくそうとした方がいいのか、何が正解か分からない。運もあるので。結局、何が起こるか分からない」

 ――国際大会を戦う上での対策や準備は。

 「そこは僕の経験上、運。しっかり準備しても、普段当たらないピッチャーって、受け身になってしまう。打てなくなってしまう時もあるけれど、受け身の方が冷静になれる時もある。積極性も冷静さも大事。積極的かつ冷静。その気持ちの入れ方は凄い難しい」

 ――なぜそう思う。

 「東京五輪の韓国戦(準決勝、同点の8回に3点二塁打)は積極的にいって、初球で決められた。プレミア12の韓国戦のホームラン(決勝、2点を追う2回に8球目を左翼席に逆転3ラン)は冷静。初球からいかずに粘って粘って、一回じっっくり見ようってのがあった。そこは自分の直感。難しい」

 ――年長者として引っ張る自覚は。

 「そんなに意識はしない。自分のことだけで精いっぱい。何回も出場しているし、年上ですけれど、グラウンドに立てば、年齢は関係ない」

 ――前回のWBCでも犠打を決めた。シーズンと違う役割を担う可能性もある。

 「準備はします。バント練習もすると思う。これまでの国際大会でもそうだったので」

 【取材後記】山田はWBCを3月に控える中、スタンスの幅など打撃フォーム改造に着手している。「個人として全然ダメだったので、やらないといけない。WBCがあろうがなかろうが、どんな人でもやっていると思う」。昨季は打率.243、23本塁打、65打点と3度のトリプルスリーを達成した男としては不本意。試行錯誤は必然だった。

 WBC初戦は3月9日の中国戦。フォームを固めるのはいつなのか。「いくところまでいきます。今はバットを必死に振り、いろんなことを見つけている段階。シーズンに入っても続くかもしれない」。主将を務めるヤクルトと同様、侍ジャパン合宿に合流してからも特打で汗を流す。その背中でチームの士気を上げてくれるはずだ。(青森 正宣)

 ≪体重移動を確認 BPへ試行錯誤≫山田はこの日、フリー打撃では入念に体重移動を確認しながら54スイングで1本の柵越え。全体練習後にはサブグラウンドでノックを受け、牧に二塁送球を指南する場面もあった。第1クールを終え「めちゃくちゃいい練習をしている」。第2クールからライブBP(実戦形式の打撃練習)の打席に立つ予定で「そこで修正したり、続けていったり、そこで感じたい」と試行錯誤中の打撃フォームを固めていく。

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