Rソックス・吉田 全米の注目度が高いワケ

2023年06月16日 08:00

野球

Rソックス・吉田 全米の注目度が高いワケ
レッドソックス・吉田(AP) Photo By AP
 レッドソックスの吉田正尚外野手がメジャー入り後、初めてニューヨークでのヤンキースとのシリーズに臨んだ。9~11日(日本時間10~12日)まで、伝統のヤンキースタジアムで行われた3連戦。少々疲れもあったのか、吉田はこの3戦では合計11打数無安打に終わり、打率は3割ちょうどまで降下してしまった。
 それでもこの3試合を通じ、MLBでも1年目から好結果を出している吉田への注目度の高さは分かりやすい形で伝わってきた。9日のゲームはYESネットワーク(ヤンキース自前の放送局)、10日は地上波FOX局、11日はスポーツ専門局ESPNという3つの異なったチャンネルで放送され、それぞれのゲーム開始前、レッドソックスでは吉田が重点的に紹介されていた。

 中でもESPNの看板番組の1つ、「サンデーナイト・ベースボール」で全米中継された11日は念入りだった。そこでは吉田のOPS+の高さ、コンタクトのうまさを特筆。中でもハードコンタクトの確率が23%で、メジャー全体でもヤンディ・ディアス(レイズ)、ロナルド・アクーニャ(ブレーブス)、フアン・ソト(パドレス)に次ぐ高数値であることがグラフィック付きで解説されていた。

 また、ESPN電子版はこのシリーズに記者を派遣し、吉田自身、関係者、アレックス・コーラ監督らを精力的にインタビュー。今週中、吉田の特集記事が同サイトに掲載されるのだという(筆者も吉田の人気、知名度に関する取材を受け、特にWBC以降は日本でも吉田の人気が高まっていることを話した)。

 この注目度の高さの背景として、まずは全米にファン層を持つレッドソックスというチームに属していることが大きいのだろう。また、WBCで活躍したことにもやはり重要な意味があった。それらと同時に、今季のレッドソックスにはスターと呼べるレベルの選手が少なく、ラファエル・ディバース、クリス・セール、ケンリー・ジャンセンくらいか。結果として、メジャー1年目から実力を発揮してきた吉田に大きな関心が集まっているに違いない。

 そんなバックグラウンドを考えればなおさら、これまで安定した形で好打を続けてきた吉田の当たりがこの3連戦で止まったのは残念ではあった。それでも、その技術レベルの高さと適応能力を考えれば、スランプは長くは続かないはず。8月中旬に予定される次のニューヨークでのシリーズでは今度こそ持ち前のシャープな打撃を披露し、さらに全米のファン、関係者を沸かせてほしいところだ。(記者コラム・杉浦大介通信員)

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