【スポニチスカウト部(19)】学習院大・大薗洸人 投手歴4年“学習”続けるサブマリン

2024年06月18日 06:00

野球

【スポニチスカウト部(19)】学習院大・大薗洸人 投手歴4年“学習”続けるサブマリン
東都3部ながらプロも注目する学習院大・大薗 Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第19回は、学習院大の大薗洸人投手(4年)。東都3部ながら、ひそかに注目を集める下手投げ右腕の魅力を探った。
 投手歴わずか4年の大薗は、大きな野望を抱きながら最後の一年に臨んでいる。「上のレベルでやりたい思いもあるので、チームのため、そして自分のアピールもしていきたい」と、東都3部から夢のプロ入りにつながることを願って腕を振り続ける。

 今でこそ最速130キロを誇るが、下手投げへの挑戦は意外な経験から始まった。高2の夏、対戦相手に下手投げ投手がいることから「アンダースローで打撃投手をやってくれ」と指導者から声がかかった。野球人生で投手経験もなく「最初は18メートルを投げられなくて苦労したが、なんとか投げられるようになった。そして楽しかった」と、役目を全う。この経験が忘れられず、投手への道を歩み出した。

 高校最後の年となった20年は新型コロナの影響でほとんど野球ができなかったが、学習院大に進学後も迷わず投手を希望。元ロッテ・渡辺俊介や巨人・高橋礼など下手投げ投手の動画を見て研究し、授業のない時間に投げ込みを繰り返した。努力の結果、スライダーやカットボール、シンカーなどの変化球も習得。今春は3部ではトップとなる28三振を奪い「真っすぐも球速以上に伸びを感じる球を投げられるようになった」と成長を実感する。

 1部や2部と比べると注目度は下がるが、大薗を見ようとプロのスカウトが訪れることも。試合後にそのことを知った大薗は「衝撃的でしたが、プロ野球の人が見てくれているというだけでもっと頑張ろうと思えました」と驚きを口にしながらも、野球への強い思いを口にした。
 最終的な目標はプロ野球選手だが「社会人を含めて上のレベルの野球を体感して、活躍できる選手になりたい」。学習院大出身初のプロ野球選手を目指し、まだまだ技を磨いていく。(村井 樹)

 ≪タイトル表彰式でプロを意識≫大薗が強くプロを意識したのが、昨春の個人タイトル表彰式。東都リーグでは1部から4部まで全て同じ会場で行うため、昨春は青学大・中島(現楽天)や東洋大・細野(現日本ハム)も出席。ベストナインと最優秀防御率を獲得して表彰式に臨んだ大薗は、近くに立つと「体は大きいし、空気感が違いました」。話しかけることはできなかったが「プロに行くような人は違うなと思ったが、こういう選手になりたい」と決意した。

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