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【筑後鷹】“モイネロ2世”だ!! キューバ出身の育成選手サルディに大物の予感

2024年06月18日 06:00

野球

【筑後鷹】“モイネロ2世”だ!! キューバ出身の育成選手サルディに大物の予感
ブルペンで投げるソフトバンクのサルディ(撮影・杉浦 友樹) Photo By スポニチ
 “モイネロ2世”がファームで研さんを積んでいる。ソフトバンクに今季、育成選手として入団したキューバ出身のダリオ・サルディ投手(18)は3、4軍の非公式戦で4勝を挙げている。首脳陣が潜在能力と練習に取り組む姿勢を高く評価する背番号176は、日本でNo・1投手になる夢を抱いている。
 1メートル86の長身から投げ込む球はロマンたっぷりだ。サルディは最速145キロの直球とスライダーやカーブを武器に3、4軍戦で主に先発として早くも存在感を示している。「今は気候にも慣れ、体のコンディションもいい状態になっている」と笑みを浮かべる。

 キューバではさまざまなポジションに挑戦したが、13歳の頃から投手一本で勝負している。左投げだったことから「将来的には武器になると思った」と振り返る。故郷ではテレビでデスパイネ、グラシアル、モイネロらソフトバンクの選手たちのプレーをよく見ていた。「子供の頃から海外で野球ができる国の一つとして知っていた」。身近に感じたことが、日本行きを決めるポイントになった。

 同郷の先輩で今年から先発に転向して活躍しているモイネロを強く尊敬している。「無駄な球が一球もないと思っている。全てのボールの質がいい」と目を輝かせる。サルディが先発で投げる際、イニングを重ねていくと直球の球速が落ちることが悩みだった。先輩に助言を求めると「もっと走れ。走る量を増やしなさい」と言われた。練習から実践しており「球速が落ちなくなってきた」と感謝している。

 研究熱心な性格。練習、ブルペン、試合でほかの投手の動きをよく観察している。「研究するのは自分でも好き。どういうフォーム、腕の位置で変化球を投げてボールが動いているかを見ている」。気になったことは練習でトライ&エラーを繰り返しながら、自分のものにする。首脳陣はポテンシャルだけでなく、そんな練習姿勢を高く評価する。奥村4軍投手コーチ(補佐)は「ユウゴ(前田悠)とかと一緒でいろいろ自分で考えてできる」と同年齢のドラフト1位左腕を引き合いに出して評価し「いつかバーンと来るときがあると思う」と“予言”した。

 日本食にもすっかり慣れたようで「とんこつラーメンが一番。チャーハン、カレー、焼き肉…」と次々にエネルギーになっている食事を挙げた。体重は公称より11キロ重い92キロまで増やした。全ては日本でNo・1投手になるという夢をかなえるためだ。「支配下になっていい背番号をもらって、質のいいピッチャーになりたい」と熱く語った。

 筑後ファーム施設の周辺には緑豊かな田園風景が広がる。動物が街を歩いていたりする故郷・キューバと似ている部分があるという。この地で着実に力をつけていく。 (杉浦 友樹)

 ◇ダリオ・サルディ(Dario・Sarduy)2005年11月12日生まれ、キューバ共和国出身の18歳。13歳から投手に専念し、エイデ・ヘクトル・ルイス・ペレス・サンタクララ高を経て今季ソフトバンクに加入。背番号176。身長1メートル86、体重は公称から11キロ増の92キロ。左投げ左打ち。

 《投手・藤原が“日本語の先生”》サルディにとって“日本語の先生”は育成6位で入団した投手・藤原だ。一緒にコンビニでラーメンを買うなど、行動をよく共にする。スペイン語と日本語でのやりとり。サルディが聞き取れなかった際はゆっくりしゃべってくれる“ナイスガイ”だという。「よく説明してくれる。そのおかげで日本語も覚えていったりできている」と感謝している。最近はどんな言葉を教わったかと聞くと、しばし考えた後に「“悪い言葉”の方が多い」といたずらっぽく笑った。

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