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中畑清氏 巨人・阿部監督の光る愛の采配 残り54試合…坂本の使い方が鍵

2024年07月23日 05:30

野球

中畑清氏 巨人・阿部監督の光る愛の采配 残り54試合…坂本の使い方が鍵
中畑清氏 Photo By スポニチ
 【キヨシスタイル!】巨人が首位で球宴ブレークに突入した。89試合を消化して46勝38敗5分け。2年連続Bクラスに沈んだチームをここまで引き上げた1年目の阿部慎之助監督。大あっぱれ!!をあげたい。
 意外と大胆な選手起用をして適材適所を見つけ出している。例えば丸の打順だ。開幕戦の7番から3番、5番と動かし、4月末から1番に固定。開幕直後はまるでダメだったベテランがリーグ2位の打率.309をマークして攻撃の起点になっている。

 捕手の使い方もさすがに捕手出身の監督らしい。開幕から先発マスクをかぶらせた大城卓が攻守に精彩を欠くと、岸田中心に転換。いったん2軍に落とした大城卓が戻ってくると一塁で起用。岡本和の後ろを打つ5番として欠かせない存在となっている。去年4勝に終わった菅野には小林を組ませ、そのベテランがチーム最多の8勝。去年はほとんど出番がなかった小林の存在感も生かしている。

 坂本でも調子を落とせば2軍に送り、復帰後も状態を見てスタメンから外す。期待の門脇が伸び悩んでいるとルーキーの泉口をかませる。覚悟を持って選手を起用しているのを感じる。

 情に流されない采配。これってチーム愛なんだよね。チームを勝たせるにはどうすればいいか。個々のプライドよりチームの勝利を優先。それに徹しているんだ。巨人は3年間優勝から遠ざかり、ここ2年は4位に沈んでCSにも出ていない。今年はどうしても勝ちたいはずだ。

 それでも阿部監督は冷静沈着なんだよね。長いシーズンを考え、負けが込んでも慌てず騒がず。逆にサヨナラ勝ちしても、私みたいにはしゃがない。本当は騒ぎたいタイプなんだけどね。喜びをかみ殺してるんだ。

 オールスターを挟んで前半戦、後半戦という言い方をするけど、巨人は89試合、6割強を消化している。残り54試合をどう戦うか。

 現在首位とは言っても4位の阪神とわずか3.5ゲーム差。大混戦は最後まで続くと思う。勝負どころでキーポイントになりそうなのが坂本の使い方。状態をどう判断してどんな出番を託すか。その結果、最後に大はしゃぎする阿部監督を見たいな。巨人OB会長として切に願っている。(本紙評論家・中畑 清)

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