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矢野燿大氏の後半戦展望 阪神・前川は外野の守備には目をつぶっても4打席立たせたい選手

2024年07月26日 05:15

野球

矢野燿大氏の後半戦展望 阪神・前川は外野の守備には目をつぶっても4打席立たせたい選手
阪神・前川
 セ・パ両リーグはきょう26日から後半戦が再開する。貯金1でリーグ4位・阪神は首位・巨人とは3・5ゲーム差。どのチームが大混戦をリードするのか――。本紙評論家の矢野燿大氏(55)が今後の展望を分析し、阪神が抜け出すためのポイントを明かした。
 阪神は球宴までの前半戦を貯金1で折り返した。リーグの順位は首位から巨人、広島、DeNAに僅差で続く4位だが、決して悪い位置にいるわけではない。チーム打率はリーグワースト(・225)で、チーム本塁打もリーグワースト(33本)など長打も少なく、得点に苦しんでいる中で、今この位置にいられるのは投手陣の踏ん張り。負傷者や疲労などが出ないやりくりで後半戦もチームを支えてほしい。さらに及川が20日の広島戦(甲子園)で結果を出し、育成だった高橋が支配下選手として戻ってくるなどプラスアルファも期待できる。

 攻撃陣は、昨年の日本一メンバーを固定できなかった。全員が一度はスタメンを外れ、開幕クリーンアップの森下、大山、佐藤輝の3人はファームに降格するまで不振を極めた。ここまで打撃が低調なのは想定外だが、やはり1番・近本、2番・中野はもう動かされないくらいに奮起してほしい。ベンチは「お前らが出塁しないと連覇はないよと」と信頼して使い続けることで、責任感のある2人はやってくれると思う。

 若い力にも期待したい。高卒3年目の前川は左翼を守ることが増えた。打撃に関しては伸びしろしか感じない。今のチーム事情を考えれば外野の守備には目をつぶっても4打席立たせたい選手だ。近本、中野の後ろになる打順3番には右打者がベターで、森下や野口が競い合ってほしい。

 普通に打っても得点につながらない状況が続き、機動力を絡めたいところだが、昨季は同じ90試合を消化した時点でリーグ3位の45個だったチーム盗塁数は27個でリーグ5位と極端に減った。盗塁の数もそうだが、走る姿勢があれば相手バッテリーも神経を使うもの。実際にスタートを切らなくても“走ってくるぞ”“なにかやってくるぞ”という雰囲気をベンチがつくり出すだけで相手の警戒度は上がる。同じ投高打低の広島が接戦では大きな武器としている。

 ペナントレースは混戦がしばらく続きそうだ。どこか1チームが抜け出す展開も予想しづらく、選手個々の力では他球団に勝っている阪神にとっては最終盤までもつれる方がベター。あと53試合。ここからが本当の勝負だ。(スポニチ本紙評論家)

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