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【甲子園】花咲徳栄・岩井福 覚悟を持って「岩井先生」と立った聖地

2024年08月10日 05:00

野球

【甲子園】花咲徳栄・岩井福 覚悟を持って「岩井先生」と立った聖地
<花咲徳栄・新潟産大付>三塁ベースコーチを務める花咲徳栄・岩井(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【第106回全国高校野球選手権大会第3日・1回戦   花咲徳栄1―2新潟産大付 ( 2024年8月9日    甲子園 )】 【声援よ君に届け】1点を追う9回2死。花咲徳栄で三塁コーチを務めた岩井福(ゆたか=3年)は、唯一の2年生レギュラーで、中飛で最後の打者となった田島蓮夢(はずむ)に歩み寄った。「最後の打者になって、つらい部分があると思った」。優しい言葉で、後輩を慰めた。
 父は岩井隆監督。レギュラーにはなれなかったが、111人の部員がいる中で背番号17をつけた。実力だけでなく、多くの要素を考慮して決まるベンチ入りメンバー。「“親がいるから”と言われるのは分かっていた」と雑音に惑わされない覚悟があった。練習だけでなく、三塁コーチとして相手の分析にも時間を割いて迎えた聖地。的確な指示を繰り返したが「周囲が納得する働きができなかったのが悔しい」と言う。

 小学校5年だった17年夏に父が監督として成し遂げた同校初の全国制覇は内野席で見た。憧れたチームへの進学。かつて父子鷹を経験した明徳義塾・馬淵史郎監督から3月の練習試合で「息子をチームに入れて指導することは難しい。ただ、苦しいことを乗り越えられたら、お前もいい景色を見られる」と金言も受けた。

 部内で父を「岩井先生」と呼んできたが普通の親子に戻る。「やっと普通の会話ができます」と岩井監督。大学進学を目指す福は、野球を続ける予定だ。(伊藤 幸男)

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