広島・坂倉 2位転落危機救った逆転V撃 7月から絶好調 打率・360、5本塁打、18打点

2024年08月29日 05:00

野球

広島・坂倉 2位転落危機救った逆転V撃 7月から絶好調 打率・360、5本塁打、18打点
<中・広>最後を締めた栗林(右)と握手する広島・坂倉(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島2ー1中日 ( 2024年8月28日    バンテリンD )】 広島・坂倉将吾捕手(26)が28日の中日戦(バンテリンドーム)で値千金の決勝2点打を放ち、連敗ストップに“攻献”した。前日27日の敗戦後にナインを鼓舞するメッセージを発信した新井貴浩監督(47)も、持ち味である積極攻勢でつかんだ勝利に「全然硬さはなかった。切り替えて試合に臨めていた」とうなずいた。チームは負ければ2位転落の可能性があった試合を制して連敗を2で止め、首位を死守。6年ぶり頂点に向け、再進撃に転じる。
 坂倉は勝負どころを逃さなかった。0―1の4回2死二、三塁。小笠原にカウント1―2と追い込まれたが、内角低め直球に、うまく腕をたたんで対応した。中前への決勝2点打。一塁ベース上で力強く拳を突き上げた。

 「ちょっと詰まったんですけど、いいところに落ちてくれた」

 直前の1死二、三塁では4番・末包の中堅への浅い飛球が岡林の好守に阻まれていた。だが…「スエ(末包)さんの打席を全然見ていなくて気づいたらアウトになっていた」。自らが決めるしかない状況となっても気負うことなく、打席へ向かった。そして一振りで試合の流れを一変させた。18日ヤクルト戦以来6度目の猛打賞、11試合連続安打。好調の要因を「ちゃんと打席で考えてリフレッシュしてできている」と分析し、うなずいた。これで7月以降38試合で打率・360、5本塁打、18打点。首位に立つ原動力の一人だ。

 チームも士気を取り戻した。4回、坂倉の決勝打までの過程だ。先頭・秋山が中前打で出塁すると、続く中村奨が1ボールからバスターエンドランを決めて無死一、二塁と好機を拡大。「チャンスがあったら仕掛けていこうというのは常に考えていた」と新井監督が振り返った積極攻勢が奏功した。前日27日にはバントを決められなかった小園も三塁へ絶妙の犠打を決め、理想的な攻撃を展開した。

 8月初の連敗を喫した前日試合後、新井監督は「全体的に動きが硬く見えた。今まで通り、どんどん球際を、勇気を持って攻めていってもらいたい」とナインを鼓舞。さらに、この日の試合前には34歳の菊池が円陣の中心で「元気出して、みんなでカバーし合っていきますよ!」と気勢を上げた。ベンチ、ベテラン、中堅、若手の融合から生まれる積極性こそ新井カープの強み。本来の姿を取り戻した戦いぶりを、指揮官も満足げに振り返る。

 「しっかり切り替えて、今日の試合に臨めていた。硬さもなかったし、攻めていっていた。今日すぐに勝てたことが一番良かった」

 負ければ2位転落の可能性もあった一戦を制して首位を死守。バンテリンドームの連敗も5で止めた。ここから再進撃に転じる。(長谷川 凡記)

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