全日本プロレス渕正信 輪島さんをしのぶ 元横綱でも「一からやり直す覚悟が見えた」

2018年10月10日 20:10

格闘技

全日本プロレス渕正信 輪島さんをしのぶ 元横綱でも「一からやり直す覚悟が見えた」
<全日本プロレス>元横綱・輪島大士の故・輪島博さんを偲び、渕正信が遺影を持ち追悼セレモニーが行われた。 Photo By スポニチ
 全日本プロレスは10日、東京・後楽園ホールで開催した「2018旗揚げ記念シリーズ」の試合開始前に、8日に亡くなった大相撲第54代横綱の輪島大士さん(享年70)の追悼セレモニーを実施した。輪島さんは相撲界から追われた後の86〜88年、全日本プロレスで活躍。相撲時代の「黄金の左」から転じた「ゴールデン・アームボンバー」は人気を博した。
 セレモニーでは大会に出場する全選手が場内に入場すると、輪島さんと現役時代を共にした64歳の渕正信が遺影を抱えてリング上へ。現役時代を紹介するアナウンスが流れた後、静寂に包まれたホールにテンカウントがささげられた。

 6人タッグマッチ後に取材に応じた渕は「70歳は早い。驚いた」と声を沈めた。豪快な性格で知られた輪島さんだが、裸一貫となってプロレス界に飛び込んできた元横綱は「入団した時からそういう(元横綱という)気持ちでなく、一からやり直す覚悟が見えた」と実直な姿勢が脳裏に焼き付いているという。練習でも「ウエートトレーニングや受け身から、必死にやっていた」そうで、「胸を打つものがあった」と振り返った。

 食事やお酒を共にする機会も多かったそうで、プロレス界では先輩の渕だが、財布を出すのは決まって輪島さん。借金が原因で相撲界を追われていただけに、ある時「お金、大丈夫ですか?」と尋ねると、『渕くん、食事中はカネの話をするな』と笑いながら一蹴された。「心配させまいという豪快さがあった」と故人をしのんだ。

 今年は相撲界やプロレス界に限らず、昭和を彩った各界のスターが相次いで亡くなっている。リングではまだまだ現役バリバリの渕も「いろんな世界で昭和の名残のある大人物がいなくなるね」と寂しげに言い残し、ロッカールームへ消えた。

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