盛り上がりをみせる日本ボクシング界 NHKでも57年ぶりに中継へ

2019年11月05日 09:30

格闘技

盛り上がりをみせる日本ボクシング界 NHKでも57年ぶりに中継へ
<WBSSバンタム級決勝戦・予備検診>予備検診を終えドネアを見つめポーズを決める井上尚弥(撮影・会津 智海) Photo By スポニチ
 日本ボクシング史上最高と呼ぶにふさわしい一戦が近づいている。WBA&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)とWBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)が激突するワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級トーナメント決勝は7日、さいたまスーパーアリーナで開催される。日本の誇るモンスターと5階級制覇のレジェンドの頂上決戦はKO決着必至の大一番として世間の注目度は高まるばかりだ。
 井上の魅力は何と言っても「KO」だろう。抜群のパワー、スピード、テクニックを併せ持ち、18勝16KO。そのKO率は88%を超える。「倒して勝つ」スタイルはボクシングを良く知らない人でも分かりやすく、伝わりやすい。WBSS1回戦の衝撃的な“70秒KO”以来、スポーツニュースだけでなく、ワイドショーでも取り上げられるようになり、井上の認知度は一気に高まった。

 その「KO」にフォーカスした大会が新設された。先月19日に1回戦が行われた「内山高志presents KNOCKOUT DYNAMITE賞金マッチトーナメント」だ。優勝賞金は50万円と高額ではないが、5ラウンド制で1回KO勝ちなら50万円、2回30万円、3回15万円、4回10万円、5回5万円のKO勝ちボーナスが設定された。貨幣価値の違うフィリピン、モンゴルの外国人選手を加えたことで、試合はよりアグレッシブな展開になり、結果は6試合中3試合がKO決着。大会アンバサダーを務める元WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志氏が「判定の試合も内容的には面白かった」と認めたように判定決着の試合も激しい攻防があり、見応え十分だった。

 56キロ級では1回にダウンを奪われた佐々木蓮(ワタナベ)が、そこから立て直して判定勝ち。60キロ級では40歳のベテラン高畑里望(40=ドリーム)がKOを狙い大振りする19歳下のモンゴル選手を見事にさばききって決勝に駒を進めた。もちろん豪快なKOシーンに会場は大いに沸いた。ボクシングの魅力を伝えるという観点では実に面白い試みだと思う。

 井上の出場するWBSS決勝はフジテレビ、WOWOWに加えて、NHKがBS8Kで放送する。NHKによるボクシング中継は実に57年ぶりという。また、12月23日に行われるWBA世界ミドル級王者・村田諒太(帝拳)の初防衛戦も同じくBS8Kで放送される。井上の台頭、村田の復活で盛り上がりをみせる日本ボクシング界。2人の勝利を願うとともに、これを機にボクシング人気が回復することを期待している。(大内 辰祐)

おすすめテーマ

2019年11月05日のニュース

特集

【楽天】オススメアイテム
`; idoc.open(); idoc.write(innerHTML); idoc.close(); });