【プロボクシング・女子バンタム級6回戦 ( 2022年7月13日 東京・大田区総合体育館 )】
元アマチュア全日本女王の31歳、伊藤沙月(31=志成)が6回戦でプロデビューし、サオワラック・ナリーペンシー(タイ)に3―0で判定勝ちした。最初は動きがやや硬く、頭ひとつ小柄な相手が思いきり伸ばしてくる右に戸惑いを見せていたが、徐々にジャブでプレッシャーをかけ、ワンツーを当てて優位に立った。ジャッジの採点は2人がフルマーク、1人が59―55だった。約5年半ぶりの試合に「思った以上に手数が出せなかった。ヘッドギアしていないのが初めてだったので、慣れるのに時間がかかった」と反省を口にした。
宮崎・日章学園高でボクシングを始め、わずか1年で全日本女子選手権ライトフライ級を制覇。拓大時代には12年ロンドン五輪強化選手に選ばれ「美人すぎるボクサー」として注目を集めた。自衛隊に進み、16年全日本女子選手権バンタム級で準優勝したが、この試合を最後に競技をやめ、18年3月で自衛隊も退官していた。
外資系の保険会社に勤務後、会員制ジムでパーソナルトレーナーを務めていたが、以前通ったジムで元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾と知り合い、比嘉が現在所属する志成ジムに入門してプロ入りを決意。「昨年11月にプロテストに合格していた。トレーナー仲間のサポートで減量も順調に進み、「ブランクを感じさせない試合を見せたい」と抱負を述べていた。