テリー・ファンクさん死去 79歳…兄ドリーと「ザ・ファンクス」で人気 17年までリングに

2023年08月25日 04:50

格闘技

テリー・ファンクさん死去 79歳…兄ドリーと「ザ・ファンクス」で人気 17年までリングに
80年、ブッチャーの反則攻撃に顔をゆがめるテリー・ファンクさん(左)
 「テキサスの荒馬」などの愛称で日本でも爆発的な人気を誇ったプロレスラーのテリー・ファンクさんが死去した。79歳。米プロレス団体「WWE」が23日に発表した。死因や亡くなった日時などは明らかになっていない。1970年に初来日し3歳年上の兄ドリー・ファンク・ジュニアとタッグを組み、「ザ・ファンクス」として活躍。多くの女性からも支持されるなど人気は絶大で、それまでヒール役だった外国人レスラーのイメージを一新した。人気漫画「キン肉マン」のキャラクター「テリーマン」のモデルとしても知られた。 
 日本人レスラーよりも人気のあったテリーさんが天国に旅立った。プロレスラーで東京都文京区議会議員の西村修氏によると、テリーさんはコロナ禍前からパーキンソン病を患うなど体調を崩していたという。同氏は「ドリー夫妻の話では、最近は体重も減ってしまって車椅子生活だった。猪木さんに次いで…残念です」と話した。

 テリーさんは、往年の名レスラー、ドリー・ファンク・シニアの下で英才教育を受け65年にプロレスデビュー。70年に初来日し71年12月にはジャイアント馬場、アントニオ猪木組からインターナショナルタッグ王座を奪取した。72年に馬場が全日本プロレスを立ち上げると旗揚げから参戦。必殺技のスピニング・トーホールドを武器に75年には当時世界最高峰と呼ばれた米団体NWAの世界ヘビー級王座を獲得。ドリーに続く兄弟王者は、史上初の快挙だった。

 性格も優しくオーソドックスなスタイルだった兄とは対照的に、テキサスの荒馬と呼ばれたテリーさんは典型的なラフファイター。爆発的な人気を呼ぶきっかけとなったのが兄弟タッグ「ザ・ファンクス」で参加した77年オープンタッグリーグ戦。アブドーラ・ザ・ブッチャー、ザ・シークの凶悪コンビと優勝を懸けた大一番ではフォーク攻撃で血だらけにされながらも不屈の闘志で立ち向かい、得意の左ストレートをシークに見舞い兄を救出。満身創痍(そうい)で激闘を制した姿は日本のプロレス史に残る名場面となった。また81年12月の世界最強タッグ決定リーグ戦では場外でセコンドにいたスタン・ハンセンのウエスタンラリアットを食らって衝撃的な失神KOにファンの悲鳴が蔵前国技館に響いた。

 膝のケガの影響で83年8月に引退試合を行い一度はリングを去った。しかし、翌84年に復帰し、WWF(現WWE)でハルク・ホーガンと抗争。全日本やFMWでも往年の闘志あふれるファイトを披露した。2009年には兄とともにWWEの殿堂入りを果たし、17年までリングに立ち続けた。

 ◇テリー・ファンク 1944年6月30日生まれ、米インディアナ州出身。レスラーだったドリー・ファンク・シニアの次男。少年時代からレスリングの英才教育を受け、65年にプロレスデビュー。70年に初来日し、兄のドリー・ファンク・ジュニアとタッグを組み、全日本プロレスを主戦場に活躍し爆発的な人気を博した。83年に引退試合を行うが、翌年復帰。09年にWWE殿堂入りし、17年までリングに立ち続けた。得意技はスピニング・トーホールド、テキサスクローバーホールド、ローリング・クレイドルなど。全盛期のサイズは1メートル88、110キロ。

 ▽スピニング・トーホールド 仰向けの相手の片方の足を両手でつかんで、回転を繰り返し、足首にダメージを与える足関節技の一種。「ファンク一家伝家の宝刀」と称された。

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