赤井英和Jr.英五郎 親子2代での全日本新人王制覇ならず 父の前で3回TKO負け…引退の可能性も示唆
2023年12月23日 18:10
格闘技
初回、相手の左ストレートでダウンを喫した赤井は、2回から両拳を顔の前でそろえてガードし、頭を振りながら前進するピーカブースタイルに変更。「相手の距離になっていたので長いパンチを防ごうと思った。マイク・タイソンが好きなんで、見よう見まねでやってみました」と1回のダウン直後にひらめいた“即興スタイル”で左フックから右フックを打ち込みダウンを奪い返した。
だが、3回に再び相手の距離での戦いをしいられると、ロープ際で連打を浴びたところでレフェリーが試合を止めた。「タイトルとかではなく、とにかく勝たなければいけない」と背水の覚悟で臨んだラストチャンスだったが6センチ身長が上回る西日本新人王冨永に屈した。
父・英和が80年度スーパーライト級で手にした全日本新人王に続き親子2代制覇はならず。この日も観客席の最前列から「ダブルジャブ!ダブルジャブ!」と声援を送った父へ勝利は届けられなかった。「(ピーカブースタイルでの)オールマイトに練習してもよかったのかなとも思ったりした。負けたらもう“マイク”も“和製ロッキー”もないです」と悔しさをにじませながら「まず無事にリングを降りられたことはレフェリーに感謝したい」と話した。
試合後、今後について言及した赤井は「僕だけの判断じゃない。ジムに凄く良くしてもらっていて、もうここでできなかったら、という覚悟の上で今回臨んだ。今回の負けが初めてではない。気持ちの整理が難しい」と引退の可能性も示唆。見守った父・英和は「2回のダウンでやってくれるかな、とも思ったが、本人も焦ってたんやなと思う。今はとにかくゆっくり休んでほしい。お疲れさんでした」と愛息を思いやった。