井上拓真に12年越し雪辱狙う堤聖也 前世界王者とのスパーで手応え トレーナーは太鼓判「過去最高」
2024年10月04日 14:10
格闘技
スパーリングはここまで112ラウンド。前WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(33=オーストラリア)をパートナーに招へいし、ジム先輩の元IBFスーパーバンタム級王者・小国以載(36=角海老宝石)や前WBAスーパー&WBC統一世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(32=BMB)、アマチュアの21年世界選手権バンタム級金メダリスト・坪井智也(28)とも手合わせした。モロニーは5月6日に東京ドームで現WBO同級王者・武居由樹(28=大橋)に敗れる前に、堤がオーストラリアまで出向いてスパーリングパートナーを務めた縁から、今回は志願しての来日。5日にモロニーと最後のスパーリング6ラウンドを予定している堤は「この時期にジェイソンとスパーをしっかりやれる、このコンディションで動けているというのは何より大きい」と指摘し、「結構長いラウンドをやったが、ポイントを奪われるようなスパーはなかった。正直パンチをそんなにもらった感じもないし、集中して怖さも感じながら、いい緊張感でかつ自信もつかめたスパーができた」と収穫を強調した。
井上には九州学院高(熊本)2年時のインターハイ準決勝で対戦して判定負け。当初は平成国際大で競技をやめるつもりだったが、井上や4階級制覇王者・田中恒成(29=畑中)ら同世代の活躍に「自分ならどこまでいけたんだろうと。プロをやらずに、居酒屋で酒飲んでテレビ見て"俺、こいつとやってんだよ"みたいな大人になりたくなかった」とプロ入りを決意した。「同世代がみんな強くて、一番になっていない劣等感」を原動力に、大学・プロを通じて「ずっと胸にしこりみたいに残っていた」という12年越しのリベンジの機会を得た。「全体的な時間では基本的に拓真選手の方が上」と劣勢を覚悟しながらも、「でも、ボクシングは瞬間、瞬間で展開が動くスポーツ。その瞬間、気持ちでもパワーでも一瞬のスピードでも何でもいいので上回れば、展開がずれる。ずれたところを小突いて崩すみたいなイメージ。どういう展開になってもとにかく勝てばいい」と思い描く試合展開を披露。「リベンジの気持ちは強かったが、今は純粋に強い拓真選手と戦えるのが楽しみ。リベンジは付いてくる感じ」と胸の内を明かした。