初防衛を狙う田中恒成「スピードを取り戻した」 声出し番長の父がセコンドに復帰

2024年10月04日 17:04

格闘技

初防衛を狙う田中恒成「スピードを取り戻した」 声出し番長の父がセコンドに復帰
シャドーボクシングする田中恒成 Photo By スポニチ
 プロボクシング世界戦7試合を含む2日間興行「PRIME VIDEO BOXING 10」でWBO世界スーパーフライ級王座の初防衛を狙う世界4階級制覇王者・田中恒成(29=畑中)が4日、名古屋市北区の所属ジムで練習を公開した。
 「スピードを取り戻した感じがしています。少し時間はかかったけど、試合で変化を感じてもらえるレベルまで持ってこれたかな」

 ホワイトボードの練習メニューには「全力シャドー」「バッグ連打」とある。インターバルを挟みながら10~15秒間、とにかく連打を繰り出す。通常のシャドー3ラウンド後に設定された全力シャドーでトップギアに入れた田中の顔はほてり赤くなっていた。サンドバッグ打ちでも速いテンポで乾いた音をジムに響かせた。

 今回、テーマに掲げる「スピード」について相当の自信を持つ。現在活動するスーパーフライ級で20年大みそかにプロ初黒星を喫して以降、守備の見直しに始まり、基礎からボクシング技術を学んだ。試合ごとに守備、攻撃などテーマを決めて重点強化しながら4階級制覇を果たした。もともとスピード、パワーには一定以上の評価を得ていた。ただ、技術習得のためにスピードを抑えていた期間があり“復活”には苦労があった。「もともと持っていたスピードでも、久しぶり過ぎて体がついていかなかったり、スピードが出なかったり、スピードを出すための練習でケガしたり。速いスピードを出すというのは改めて体に負荷がかかるんだなと思いました」。これを乗り越え自身でも満足できるレベルに達したという。

 スーパーフライ級で目標に掲げる4団体統一を果たすには、長所であるスピードを抑えてでもボクシング技術を学び直す必要があった。「スピードやパワー、勢い。ありふれたというか、ありきたりの目に見えるもので通用していたものが階級を上げると通用しなくなった。パワーのアドバンテージはなくなりますし、本当にスピードだけになると通用しない。スピードがなくても当てる技術を身につけて、これにスピードが加わりました。そういうイメージですかね」。まさに鬼に金棒だ。「KOが増えそうか?」と水を向けられ「パワーじゃなく、スピードでKOが増えたら、それはそれで理想です」と笑顔を見せた。

 挑戦者の同級5位プメレレ・カフ(30=南アフリカ)は10勝(8KO)3分けの右構え。今回が世界初挑戦、細身で身長やリーチは田中を上回る印象がある。「KO率は高いけどテクニカルなイメージでジャブを起点に組み立てくる。そのリードパンチが自分にとってはやっかいだし、カウンターも持っているので気をつけながら」と印象を語った。その上で「(自身が強化したスピードを感じられる部分は)一発、一発のスピード、攻撃から次の攻撃へつなげるスピード、緩急やテンポ感ですかね。相手にパンチを当てるまでの過程を大切したスピードを手に入れた。それを生かしてKOしたい」と意気込んだ。

 強力な援軍も加わる。20年大みそかを最後に一歩引いた立場で見守ってきた父・斉(ひとし)さん(57)が今回からセコンドに復帰する。田中は「大きな声、力づける言葉で気持ちを鼓舞してくれる。勝負どころで爆発力が必要だし、父がいてくれる方がいいんじゃないかと思った」と理由を説明した。今春に復帰要請された斉さんは「子供から、お願いされて断る親はおらんやろ」と快諾。“声出し番長”復活もKO快勝を後押しする材料となりそうだ。

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