唐十郎さん死去 座長代行・久保井研氏「唐さんはテントと共に」最後に会ったのは地方公演前4月13日
2024年05月05日 11:10
芸能
4月13日の様子については「思いのほか、足取りがしっかりしていた。いつもは脇を抱えて歩かれるという感じだったが、当日は手を添えるくらいで歩かれたので“しっかりしてますね”と声かけたら“そうなんだよ”と唐さんらしかった」と久保井氏。「サービス精神旺盛で私たちにも手を振ってくれた」と振り返った。
劇団は「5月4日21時01分に(右)急性硬膜下血腫で永眠致しました」と発表。1日午前中に自宅で転倒し、中野区内の病院に緊急搬送されたという。
唐さんは、1940年(昭15)2月11日生まれ、東京・下谷万年町出身。明大文学部演劇学科卒。63年に「シチュエーションの会」(64年に劇団「状況劇場」に改名)を結成し、67年、新宿花園神社で“紅テント”公演を行う一方、根津甚八、小林薫、佐野史郎ら多くの俳優を輩出した。
86年の公演を最後に状況劇場を解散。88年に唐座をつくり、3月東京・浅草に巨大テントでつくった“下町唐座”を完成させた。
劇作家として70年に「少女仮面」で岸田戯曲賞を受賞。小説家としても78年に「海星・河童」で泉鏡花文学賞、83年に「佐川君からの手紙」で芥川賞を受賞した。横浜国立大や母校・明治大で教壇にも立った。
2021年に文化功労者。67年に李礼仙(李麗仙)さんと結婚するが、86年4月離婚。俳優の大鶴義丹は長男。