玉川徹氏語るフリー転身1年「自由を満喫」冠ラジオでは“いいおじさん”「『モーニングショー』と違う…」

2024年08月28日 07:15

芸能

玉川徹氏語るフリー転身1年「自由を満喫」冠ラジオでは“いいおじさん”「『モーニングショー』と違う…」
TOKYO FM「ラジオのタマカワ」でパーソナリティーを務めている玉川徹氏(撮影・望月 清香) Photo By スポニチ
 【インタビュー】元テレビ朝日社員の玉川徹氏(61)がパーソナリティーを務める「ラジオのタマカワ」(木曜前11・30)が4月にTOKYO FMでスタートしてから5カ月。自身初のラジオ冠番組で、テレビでは見せない一面を見せている。昨年の7月いっぱいでテレ朝を退社してから約1年。「自由を満喫しています」と、充実感いっぱいだ。番組のこだわりや意外な素顔を聞いた。(望月 清香)
 ラジオの玉川氏は和やかだ。音楽の話に饒舌になったり、恋バナに花を咲かせたり、ダジャレを口にしたり…。放送終了後にはスタッフにお気に入りの日傘を紹介していた。2本の生放送を終えても疲れの色はなく腰は低い。テレビ朝日「羽鳥慎一のモーニングショー」(月~金曜前8・00)で眉間にシワを寄せながら政治に鋭く斬り込む姿とのギャップに驚かされる。玉川氏は「どんな人だって多面的な存在だから、『モーニングショー』で重点的に出している部分と違う部分をラジオで出したい」と柔和な表情で語った。

 番組作りの根底には、ディレクターの視点がある。玉川氏は大学院卒業後の1989年にテレビ朝日に入社。「内田忠男モーニングショー」でアシスタントディレクターを経験した後、「スーパーモーニング」でディレクターを務めた。「今もディレクターをやっている感覚。出演者であり、ディレクター。コメンテーターとして出演していてもスタジオで最終的な演出をやっている感覚です」と語る。

 「モーニングショー」の毒舌コメントもディレクターとしての慧眼から。「羽鳥さんは“いい人キャラ”だから、悪い人のキャラもやるのは難しい。“だったら僕が悪役をやろうか?”と提案した。ディレクターとして、毒を吐くキャラがいた方が番組が立体的になると思った。戦略です」。番組に厚みを持たせるために「ヒール役」を買って出た。一方で、「ラジオのタマカワ」では悪役を演じる必要はない。リスナーの人生相談に真摯に向き合うなど、羽鳥が「普段はすごくいいおじさん」と語る一面を見せている。

 この日の取材中に目に止まったのが胸元の刺繍のブローチ。シロクマが鮭をくわえた遊び心あるデザインだ。「鮭がピチピチ跳ねているんですよ」と、自慢げに目尻を下げた。コロナ禍で「モーニングショー」にリモート出演した際は、背景の観葉植物に毎日違ったフィギュアを飾っているのが話題になった。「絵が寂しいと思った。1週間の中でストーリーを作って飾っていました。クリスマスにはクリスマスに関するものを置いてみたり。どんどん増やしていって、最終的には150個くらいになりました」と明かした。

 玉川氏の素顔がのぞけるラジオには、多くの反響が届いている。ラジオの醍醐味について、「お客さんとの距離の近さがテレビとは全然違う。1対1で語りかける感覚を意識しています」と語った。「ラジオがテレビに匹敵するくらい楽しいのは、うれしい誤算でした。今は仕事脳の7割はラジオのことを考えています」。ラジオという新たなフィールドで充実感と手応えを得ている。

 8月でフリーに転身して1年が経つ。テレ朝時代に比べて自由な時間が増えたという玉川氏にプライベートでやりたいことを聞くと、「仕事が一番です」ときっぱりと答えた。「僕は好きなことを仕事にできたので、すごく幸運だと思っています。仕事をこれからも続けたい。サバイバルなので、1回1回生き残っていくだけです」。そう語る表情には仕事への情熱と矜持が感じられた。


 ◇玉川 徹(たまかわ・とおる) 1963年(昭38)生まれ、宮城県出身。87年に京大農学部農業工学科を卒業。89年、京大大学院農学研究科修士課程を修了。同年、テレビ朝日に入社。「スーパーモーニング」、「モーニングバード」などを担当。23年に退社した。

おすすめテーマ

芸能の2024年08月28日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム