JRAに16年ぶり女性騎手 菜七子卒業レースでV“夢はダービー”

2016年02月10日 05:30

競馬

JRAに16年ぶり女性騎手 菜七子卒業レースでV“夢はダービー”
模擬レースで逃げ切り勝ちし、馬上でさわやかな笑顔を見せる藤田菜七子
 JRA競馬学校騎手課程32期生の卒業式が9日、千葉県白井市の同校で行われた。中央では西原玲奈以来16年ぶり、7人目の女性騎手となる藤田菜七子(18)が卒業証書を手にした。式典に先立って行われた模擬レースでは逃げ切って勝利。11日の新規騎手免許試験合格発表を経て、3月にデビューを迎える。
 式典に先立って行われた模擬レース。藤田は果敢にハナへ立ってレースをつくった。直線半ばで外から菊沢騎乗の2着馬が迫ったが、しなやかに右ムチを打ち込むと2馬身半差の快勝。9回にわたって行われた模擬レース最終戦で見事初勝利を飾った。レース直後はキュートな笑顔がはじけたが、引き揚げてくる途中で感極まって馬上で号泣した。

 「勝てて良かったです。直線に入ってから、“お願いだから来ないで”と願いながら追いました。コーナーで少し膨れたり、課題のムチの使い方も良くなかったので、これから修正していきたい」

 喜びの言葉と同時に、反省の言葉が口を突いた。師匠の根本師は「なかなか勝てなかったけど、最後にいいところを持っていったね。気持ちの強いところを見せられたんじゃないかな。ここからが第一歩」と安どの表情を浮かべた。

 身内に競馬関係者はいないが、小学6年生の時に競馬中継を見て騎手の道を志した。空手初段、剣道二段の頑張り屋。母・恵子さん(45)は「騎手になりたいと言った時は反対しなかったが、今は心配で仕方がない」と複雑な表情。父・稔さん(55)は「これからは結果が全て。厳しい世界ですけど精いっぱい頑張ってほしい」とエールを送った。

 中央では増沢(旧姓・牧原)由貴子が13年9月に引退してからは、女性騎手不在となっていた。「体力、筋力不足で付いていけないことがあった」と振り返った藤田だが、「木馬でたくさん練習して、デビューまでに改善していきたい」とハンデを必死の努力で埋めていく構えだ。

 例年の約3倍の報道関係者の前で「東京で乗りたいです。もちろん、ダービーも勝てたら。海外はフランスのシャンティイも行ってみたい」と臆することなく夢を口にした。早ければデビューは3月5日。当分の間、ターフは“菜七子フィーバー”に沸くことになりそうだ。

 ◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年(平9)8月9日生まれ、茨城県出身の18歳。趣味は音楽鑑賞。特技は睡眠。尊敬する人は根本師。座右の銘は日進月歩。身長1メートル57、血液型A。

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