昨年同様、果敢にハナを奪ったロゴタイプ。外枠から駆けた勢いのまま、5F通過の57秒1は昨年より2秒も速かった。残り300メートルで好位勢がズルズルと後退し、逃げ切った昨年の再現が現実味を帯びる。だが、2連覇を阻んだ馬は後方から。鋭く外を伸びたサトノアラジンにゴール直前で首だけ差された。田辺は「負けはしたけど、自分の競馬はできた。調教でも調子が良かったからね。馬が頑張ってくれた」と相棒をねぎらった。
7歳を迎えて挑んだ安田記念連覇。着順こそ落としたが、走破時計の1分31秒5はモーリスを完封した昨年から1秒5も縮めた。「本当に偉い馬です。7歳になってパフォーマンスを上げてくるんだから」(田中剛師)。昨年末の香港マイル(5着)で敗れたビューティーオンリー、コンテントメントの香港勢にもきっちりリベンジ。今後については「これでジャックルマロワ賞の権利を得たし、(年末の)香港もある。次はオーナーと相談して決めたい」と師。2年連続の金メダルは取り損ねた。それでも、今年のロゴは誰の目から見ても強かった。