【ジャパンC】絶好調ミルコ、クラウンで最多7度目の戴冠へ!
2017年11月24日 05:30
競馬
今年のオークスから続くM・デムーロのJRA・G1「実施機会連続3着以内」は先週マイルCSで10戦まで伸びた。“ミルコロガシ”なる言葉は、オークス以降のG1でミルコの騎乗馬の複勝を買い続けていれば…と誰かが名付けたもの。1000円スタートならマイルCS終了時で、その額なんと460万円超。今回の配当次第だが“夢の1000万円超え”まで狙える勢いだ。
さらにJRA重賞では12週連続で3着以内をキープ。重賞でのミルコ◎は必勝策だ。しかし、彼はイタリア人にして日本人並みに謙虚。まず馬を褒める。
「今年はG1・6勝したけど、全部違う馬。凄くいい馬に乗せてもらってる。でも、もっとたくさん勝てた。どのレースでも“馬の気持ちに乗ってあげる”ことが大切だと思う」
ここでは騎乗の技術論をくどくど説明しないが、G1・6勝のうち鼻差1回、首差3回。この勝負強さは、コース取りに迷いがない、馬群をさばくことをいとわない、わずかなスペースを突けることに起因する。判断力と決断力が並外れているのだ。エリザベス女王杯の首差勝ち、マイルCSの鼻差勝ちはとりわけ素晴らしかった。
その理由は、先月下旬から来日している実弟のクリスチャン・デムーロ(25)だ。弟についてミルコは「僕よりも馬乗りが上手」と高く評価。ただ「もっと頑張ってほしい」と“指導”も忘れない。家族の絆が強い母国では「兄の威厳」が重視されるだけに、弟の来日中は普段からさえる騎乗が一層さえわたる…というわけだ。
この日のサトノクラウンの最終追いは3頭併せ。森助手は「反応を確かめる程度だったが、動きも良かった」と評価も上々だ。
鞍上にはジャパンCでは01年O・ペリエ、今春のルメールに続く、3週連続G1制覇が懸かるが「サトノクラウンは一度使って良くなってると思うし、楽しみだね」とプレッシャーは皆無。歴代最多のJRA年間G1・7勝目へ――。またも「兄の威厳」に裏打ちされた“神騎乗”がサク裂しそうだ。
◆ミルコ・デムーロ 1979年1月11日、イタリア生まれの38歳。父ジョヴァンニは元騎手、妹パメラは調教師(元騎手)、弟クリスチャンも騎手という競馬一家。94年騎手免許取得、97〜00年イタリア騎手リーディング。99年短期免許で初来日、03年ネオユニヴァースとのコンビで挑んだ皐月賞でG1初制覇、続くダービーも優勝。11年ドバイワールドCをヴィクトワールピサで制覇。15年にJRA移籍。JRA通算4361戦760勝(重賞72勝)。1メートル56.5、52キロ。血液型A。