【ステイヤーズS】リッジマン 短距離血統なんの!重賞初V

2018年12月02日 05:30

競馬

【ステイヤーズS】リッジマン 短距離血統なんの!重賞初V
ステイヤーズSを制したリッジマン(撮影・郡司 修) Photo By スポニチ
 師走の名物マラソンレース「第52回スポニチ賞ステイヤーズS」が1日、中山競馬場で行われ、1番人気のリッジマンがV。好位から鋭く抜け出して重賞初勝利を飾った。門別出身のスウェプトオーヴァーボード産駒が、血統の常識を覆す激走。3連覇中だった絶対王者アルバートがいない3600メートルを見事に走り切った。
 アルバートがいないスポニチ賞ステイヤーズS。3連覇中の王者が右前肢ハ行による出走取り消しを発表したのはレース当日の朝だった。必然的に、ゲート内には各馬の“勝負気配”が漂う。「ハナも取れそうなくらいいいスタートだった」(蛯名)。勢いよく飛び出したのは1番人気リッジマンだ。

 抜群の好発を決めても蛯名は冷静に5番手に誘導。「ハナというタイプでもないのでね。折り合いの心配もないし、いい位置を取れた」。例年通り、3600メートルを意識した馬群のペースは緩む。道中は淡々と流れ、勝負は最終3角付近から。目の前で追いだされるアドマイヤエイカン。それに反応し、リッジマンのエンジンも点火する。4角大外からの進出は昨年、アルバートも通ったVロード。先行勢を楽々のみ込むと、後続は2馬身半封じた。

 天皇賞・春3勝、長距離の達人・蛯名は「前の馬は大丈夫だなと思ったけど、重賞の経験値、重量、急坂を考えると油断はできなかった」と回顧。それでも「500万で乗せてもらった時よりかなり力を付けていた。厩舎の皆さんの頑張りが伝わった」と相棒の成長ぶりに目を丸くしていた。

 父はスウェプトオーヴァーボードという短距離血統。同産駒には名スプリンターのレッドファルクスもおり、産駒の重賞9勝のうち8勝が芝7F以下だ。事実、初陣は門別のダート1000メートル(1着)。「地方から来て少しずつ強くなった。今は芯も入ってしっかりしてきたし、本当に頑張っていると思う」。デビュー時には想像もつかない姿に庄野師も目を細めた。

 次は有馬記念(23日、中山)への期待もかかるが、師は「これからオーナーと決めます」と話すにとどめた。90年ドクタースパート以来の地方出身馬によるV。長距離界に変わり種のスター候補生誕生だ。

 ◆リッジマン 父スウェプトオーヴァーボード 母アドマイヤモンロー(母の父カーリアン)牡5歳 栗東・庄野厩舎所属 馬主・(有)辻牧場 生産者・北海道浦河町辻牧場 戦績25戦6勝 総獲得賞金1億6361万8000円(戦績、賞金ともに地方含む)。

 ≪スポニチ本社から目録≫ステイヤーズSの表彰式では、スポーツニッポン新聞社・河野俊史代表取締役社長から優勝馬リッジマンの関係者に優勝目録が贈られた。表彰式後は優勝騎手の蛯名と河野代表取締役社長が一緒に記念写真に納まった。

おすすめテーマ

2018年12月02日のニュース

特集

ギャンブルのランキング

【楽天】オススメアイテム