【大阪杯】ステルヴィオ90点 満開で今が“見頃”
2019年03月26日 05:30
競馬
ステルヴィオは九分咲き。昨秋には目立たなかったキコウが盛り上がり、あと少しで満開です。キコウの発達に伴って首差しが一層くっきりと抜け、肩に厚みを増している。「押しトモ」といって、トモの角度が浅い骨格ですが、筋肉がついたことで押しトモも目立たなくなってきた。つぼみから開花、満開までソメイヨシノの発育過程をこの鹿毛は昨年のマイルCSから半年でたどろうとしている。目の覚める成長力です。
ゆとりをもって弓なりに垂らしたロングレイン(長手綱)を自分からごく自然に取っている。人と馬との信頼関係をうかがわせます。行き届いた手入れ。タテガミが丹念にブラッシングされ、蹄は蹄油で美しく光っている。馬は撫で柄(馬の良しあしは飼い方次第)といいますが、こういう愛情たっぷりに世話された馬は幸せです。タテガミはぼさぼさ。チェーンをかまされて不機嫌そうに口を割っている馬とは撫で柄が真逆です。だからこそ、ロングレインにも従順に立っているのでしょう。
各部位のつながりに遊びがなく、かっちりと連結された体形から守備範囲は2000メートルまででしょう。大阪杯にも距離不安なし。目の覚める成長力を見せるのは、つくば公園通りの桜が満開になる週末です。(NHK解説者)
◆鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の74歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。