【宝塚記念】レーン神騎乗締め!リス牝馬4頭目V導く 短期免許で新記録重賞6勝

2019年06月24日 05:30

競馬

【宝塚記念】レーン神騎乗締め!リス牝馬4頭目V導く 短期免許で新記録重賞6勝
<宝塚記念>リスグラシューで勝利し、ガッツポーズするレーン(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 上半期を締めくくるグランプリ「第60回宝塚記念」が阪神競馬場で行われ、オーストラリアの剛腕ダミアン・レーン(25)に導かれた紅一点リスグラシューが、あっと驚く2番手追走から抜け出してG1・2勝目。牝馬の宝塚記念制覇は16年マリアライトに次ぐ4頭目。今春がJRA初参戦だったレーンは短期免許最終週に圧巻の7勝。約2カ月で新記録となる重賞6勝を含む37勝を挙げ、日本のファンに強烈なインパクトを与えた。 【レース結果
 魔法をかけた。差し、追い込みの競馬で勝ってきたリスグラシューがスタート直後、大外からするすると上がっていく。「誰も2番手に行くとは思わなかったでしょう?」。矢作師の言葉を聞くまでもない。どよめく観衆。引っかかったのか。そうではない。1角すぎ。ぴたりと折り合った。「過去のVTRを見て、カベをつくって折り合いをつける形が向いていると思った。いいスタートを切れた。控える必要はない」。これがレーンの真骨頂。過去のレースぶりより自分の感性に従った。

 直線でも手応えは十分だ。残り200メートルでキセキをかわす。右ムチで一気に突き放した。圧巻の3馬身差。「直線を迎えるところでキセキより自分の方が手応えがいいと感じた。ただ、後ろにも強い馬がいる。勝利を確信したのは最後の100メートルくらいだった」。ヴィクトリアマイル(5月12日=ノームコア)優勝時と同様、レーンは左腕を高々と上げた。

 物心ついた頃には馬に乗っていた。折り合わせる技術を支えるのは強烈な体幹の強さだ。探究心も旺盛でレースや馬のリサーチが苦にならない。騎乗馬だけでなく、ライバル馬のことも頭に入っている。日本では刺し身を食べ、イカの塩辛も喜んで口にした。適応力の高さが競馬で生きた。

 リスグラシューの奮闘も見逃せない。牝馬の海外遠征帰国初戦でのG1勝利は10年ブエナビスタ(ヴィクトリアマイル)以来4頭目。精神的に強くなったことは明らかだ。「遠征が糧になった。びっくりするくらい強かった。これだけのメンバーの中、こんな強い勝ち方をするのだから…」。矢作師はそう語り、秋の遠征プランを披露した。「ブリーダーズCターフ(11月2日、サンタアニタ芝約2400メートル)、ブリーダーズCフィリー&メアターフ(同芝約2000メートル)、コックスプレート(10月26日、ムーニーバレー芝2040メートル)も候補。オーナーサイドと相談ですね」

 「どの国でもいい競馬ができると思う」。圧巻の神騎乗を称えるファンに手を振りながらレーンは語った。今春が初めての短期免許。開幕週にいきなり5勝し、新潟大賞典をV。衝撃だった。勝つことはできなかったがダービーで1番人気サートゥルナーリア(4着)の手綱を任せられたことも納得がいく。最終週は7勝の固め打ちで合計37勝。重賞6勝は短期免許取得期間内での新記録だ。「本当に素晴らしい時間だった。言葉にならないくらいだ。いいチームを組み、多くのサポートを受けた。日本が大好き。次の機会を楽しみにしたい」。この後は地方競馬(船橋)の免許を取得(26~7月5日)、水曜日の帝王賞(大井)ではオメガパフュームに騎乗する。まだ、もう少しだけ若き天才の騎乗が見られることを心から喜びたい。

 ◇ダミアン・レーン 1994年2月6日生まれ、オーストラリア出身の25歳。父マイケルは調教師。「歩きだした時には既に周りに馬がいた」という環境で育つ。09年見習騎手デビュー。14年豪G1初勝利。オーストラリアに移籍した日本馬トーセンスターダムでG1を2勝するなど以前から日本と縁があった。豪G1・15勝。目標の騎手はボウマン、ムーア。JRA通算123戦37勝(23日現在)、重賞6勝、G1・2勝。1メートル66、53キロ。

 ◆リスグラシュー 父ハーツクライ 母リリサイド(母の父アメリカンポスト)牝5歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績20戦5勝(うち中央18戦5勝)総獲得賞金6億8103万9500円(うち中央5億8397万9000円)。

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