【エ女王杯】国枝氏狙う クイーンで牝馬G1完全制覇 史上初の偉業へ「やれる。チャンスある」
2019年11月08日 05:30
競馬
「勝てば初の牝馬G1コンプリート?知らなかったな」。個人記録を気に留めない師は、記録王手を伝えられると苦笑いを浮かべた。続けて、「アパパネの時はスノーフェアリーがいたからね…」とポツリ。敗戦を振り返ると悔しげな表情に変わった。アパパネは牝馬3冠に加え、阪神JF、ヴィクトリアMを制し“牝馬5冠”。しかし、エリザベス女王杯は10、11年と2年連続で3着に敗れた。両年ともに優勝したのは英国馬スノーフェアリー。英・愛オークスを制し、外国調教馬として初のJRA同一平地G1連覇を果たした名牝が高い壁となった。
世界に屈した敗戦から8年、国枝師は今や世界的名牝アーモンドアイと海外に打って出る立場となった。国内の女王決定戦に送り出すフロンテアクイーンについては「強い相手もいるけどやれると思う。年を取って精神的に落ち着いてきたし、走る気持ちは衰えていないから」。前走・府中牝馬Sでは9番人気ながら2着に激走。昨年は7着に敗れたが、「前が詰まる場面があった。それでも、最後は盛り返していたし、距離は心配ない。乗り難しい馬ではないので京都2200メートルも合う。スムーズならチャンスはある」と下馬評ほどの力差は感じていない。
最後は「記録も懸かっているようだし、(騎乗する)津村に頑張るように言っておきます。流れに乗ってうまく立ち回ってほしいね」と柔和な笑顔で締めた指揮官。史上初の偉業へ。実力十分のベテラン牝馬で虎視眈々(たんたん)と一発を狙っている。