【エプソムC】武藤×アトミック、重賞初Vへ豪快!父子の夢乗せ直線気合注入
2020年06月11日 05:30
競馬
前走・新潟大賞典は久々に息子の雅を起用して2着。「外回りでいいペースで逃げたので、さすがに勝ち馬の目標にされてしまったが、競馬っぷりは良かった」と師。「オーナーも騎乗ぶりに納得してくれたので」と父子コンビの継続が決まった。昨年8月の信濃川特別も父子で臨んだが2番人気で7着に敗れた。「ふがいない騎乗だったから、頭にきて次で替えた」と師。非情の乗り替わりは愛情の裏返し。前走はそれ以来の騎乗。「着実にステップアップしているし、今回は勝ちたいという気持ちがヒシヒシと伝わってくる」。再び与えたチャンスに結果で応えた息子に、今回は全てを託す。
雅も「夏の新潟の時より力強くなって、乗りやすくなった。成長を感じます」と目を輝かせる。父の管理馬での重賞制覇は、デビュー時に掲げた目標でもある。昨年、交流G2関東オークスをラインカリーナで制して夢の半分は達成したが、JRA重賞に父子で臨んだのは前走が初めて。「(父の管理馬には)たくさん乗せてもらって感謝している。何とか結果を出したい。馬の具合はいいので、今回はチャンスだと思っています」と意気込む。
父の善則師は騎手時代の88年、エプソムCにニシノミラーで挑み3着惜敗の経験がある。「俺も悔しい思いをしたからね。結果を問われ、勝たなければいけない世界。雅には馬をうまくエスコートして、1着を獲ってほしいね」。勝負の厳しさと、父の愛情を一身に背負い、息子は夢のVゴールを目指す。
【「池添父子」重賞11勝】JRA現役調教師の父&現役騎手の子のコンビで最も重賞勝ちが多いのは「池添父子」だ。父・兼雄師の管理馬で子・謙一は10年日経新春杯(メイショウベルーガ)などJRA重賞11勝。謙一の調教師別V数では池江泰寿(14勝)、鶴留明雄(12勝)に次ぐ3位で相性の良さが分かる。藤岡父子も強力で父・健一師の管理馬で佑介は同6勝、康太は同1勝。また、武豊は元調教師の父・邦彦師の管理馬では97年中山牝馬S(ショウリノメガミ)などJRA重賞8勝を挙げている。
◆武藤 雅(むとう・みやび)1998年(平10)1月10日生まれ、茨城県出身の22歳。17年3月に美浦・水野厩舎所属でデビュー。同年4月23日の福島6RノーブルプルートでJRA初勝利。JRA通算2129戦116勝。1メートル55、45キロ。血液型A。