【宝塚記念】飛び出るサートゥル!坂路で驚異の急加速、生涯最高仕上げ
2020年06月25日 05:30
競馬
小滝助手を背に単走。最初の200メートルを14秒5とゆっくり入る。次の200メートルでいきなりギアを上げた。12秒9、そして11秒7。ラスト200メートルは12秒2と余裕を持ってスピードを持続した。最後まで手応えは楽なままだった。「いい時計で上がってきた。いい競馬ができそうだ。これが古馬の風格。馬の形が変わってきた」(角居師)
24日の栗東坂路でラスト400メートル24秒を切ったのはこの馬だけ。全体時計の51秒3も5番目と優秀だ。宝塚記念が行われる阪神2200メートルは2度の急坂越えで直線も短い。勝つには素早いギアチェンジと急加速が欠かせない。狙いは100%クリアした。
まさに生涯最高の出来だ。17日の1週前追いも凄かった。CWコースでラスト200メートル11秒2。バネを利かせ、宙を飛ぶような脚さばきに報道陣は仰天した。小滝助手は「飛び出す絵本のような回転と伸びだった」と感嘆。騎乗したルメールは「気持ち良かった~。馬が大人になっていた」と笑顔だった。
ルメールはアーモンドアイで芝G1・8勝に挑んだ安田記念で2着。このまま上半期を終わらせるわけにはいかない。G1はフェブラリーS(モズアスコット)、天皇賞・春(フィエールマン)、ヴィクトリアマイル(アーモンドアイ)で3勝。4勝すれば武豊、安藤勝己、福永祐一に並ぶタイ記録。これは決めておきたい。「阪神2200メートルは難しいコース。レースのリズムと馬のポジションがとても大切。3、4角をスムーズに運ばないと勝てない」。もちろん、サートゥルナーリアは厳しい条件をクリアできると見込む。「今回はいい馬がたくさんいる。でも、チャンスはある。まだ勝ったことのないレース。勝ちたいね」。いまだ無観客競馬は続くが、おぼろげながら出口は見えてきた。忘れることのできない20年上半期。きっちり締めくくる。