【平塚・KEIRINグランプリ】和田 初出場V!逆転で初の賞金王に輝く「まだ実感ない」
2020年12月31日 05:30
競輪
![【平塚・KEIRINグランプリ】和田 初出場V!逆転で初の賞金王に輝く「まだ実感ない」](/gamble/news/2020/12/31/jpeg/20201230s00052000516000p_view.jpg)
「あのような展開になるのは郡司君と話していた。あとは郡司君の直感に任せていました」
しかし郡司は清水のけん制を受けて失速。「彼がキツそうだったので、あとは内を行けるところまで行こうと」。松浦が仕掛けて外に浮き、続く清水が内に踏み込む。この瞬間にビクトリーロードが見えた。空いたインを一気に伸び切り、初出場で栄光のゴールを駆け抜けた。決してエリートとは言えない努力の人が競輪界の頂点に立った瞬間だった。
「周回中は間違えないように自分で回数を数えていました。本当にうれしいの一言ですが、正直、獲ったという実感がない。まだフワフワしています」
競輪学校順位は29位。記念VがあるのみでビッグレースのVはない。今回のグランプリ出場も獲得賞金を積み重ねてのものだった。9選手の中ではあくまで伏兵の存在。それは2車単、3連単の払い戻しがグランプリ最高額ということからも分かる。それでも地道な努力がもたらせた一瞬の判断力とタテの威力が、自転車競技のエリートの脇本と新田、タイトルホルダーの平原、松浦を破る大金星につながった。
新年からは毎レース1番車のチャンピオンユニホームを着ての走りになる。「位置も取らないといけないし責任もある。気が重たいです」
どこまでも謙虚だ。それでも一度出場すれば、どの選手も雰囲気に感激し必ず出たいのがグランプリだ。「来年も自分の車券を買っていただいて、またグランプリに来たいと思います」
最後も誠実な姿勢を崩さない。さらなる地力アップを果たし、南関ラインの司令塔として競輪界を引っ張っていく。
◆和田 健太郎(わだ・けんたろう)1981年(昭56)5月27日生まれ、千葉県印旛郡酒々井町出身の39歳。私立千葉経済大付属高卒。02年8月プロデビュー。通算成績は1624戦305勝。通算取得賞金は5億5590万円。1メートル72、78キロ。血液型A。主な優勝はグランプリ(20年)。